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おのれの馬脚を叩っ斬れ!『愛は毒か 毒が愛か』
~考えること、それだけが生きる道

2008年1月30日(水)

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愛は毒か 毒が愛か

愛は毒か 毒が愛か』高山真、講談社、1400円(税抜き)

 人が馬脚を露わす場に立ち合うのは、悲しいものだ。それが好感を抱いていた人ならなおさらだ。

 たとえば、仕事の付き合いからちょっと親しくなってのくだけた席で「女の本当の幸せは、子どもを生まないとわからない」などと、信念というほどの覚悟もない持論を述べる人に出くわしたことはないだろうか。

 これを口にするのが男性ならば、「子供を産めない男がなにゆえ女の“本当の”幸せを定義できるのか?」。子を持つ女性であれば「優越感を土台にした幸せに寄りかかっていられる感性とは何ぞや?」と、他言する前にこのような自問が浮かびそうなものだろうと思ってしまう。

 がしかし、自戒を込めて言えば、案外、世の中には無知と鈍感と野蛮のコンボが幅をきかせている。特にセクシャリティに関しては。

 著者の高山真は、出版社に勤務しつつ、ゲイセクシャルのエッセイストとしても活躍している。折しもメディアでは、「お姐系」と称するゲイが支持されている。彼女たちはセクシャルな際どいジョークや辛辣な毒舌を吐きつつも、「女はきれいでなければいけない」「愛されないと価値がない」といった拍子抜けするほど古典的な恋愛観や結婚観を公言している。

 そうなると彼女たちの人気の源は、ゲイを「同性愛者だから特殊」と位置づけつつ、自らの性的志向を「異性愛者だから普遍」としか把握しない多数派の、その穏当な常識を根底から覆さないことにある。そう考えてもあながち間違いではないだろう。

その「モノサシ」で測る・測られる意味を問いつめる

 一方、高山はといえば、前作『こんなオトコの子の落としかた、アナタ知らなかったでしょ』で、異性愛一本槍でやってきたノンケの男たちを落とす。というよりは狩るエピソードを綴る中で、異性愛のゲームのルールを揺さぶってみせだだけに、本作がヌルい恋愛話や毒舌に終始するわけがない。恋愛市場で女が男から“評価”されることについてこう書く。

〈必要なのは、恋愛対象から値踏みされる場合に、その評価を“バカじゃねぇの”と笑い飛ばせるくらいまで、自分にゲタを履かせてしまう図々しさだ>

 と、男の提示する価値にそって自らを評価する愚かさを指摘した後、すかさず〈「その逆こそが障害になるんだろうけれど、正確にはどういう状態を指すのかしら」と思って、改めて考えてみたの〉と問いを手放さない。そして〈アタシ思うんだけど、それは「下された評価額をそのまま受け入れてしまうこと」ではなく、「他人が下した評価額よりも、はるかに低く自己査定をしてしまうこと」なのではないか、と思うのね〉という答えに行き着く。

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