• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

だから、あなたは捨てられる~『おとなの男の心理学』
香山リカ著(評:島村麻里)

ベスト新書、720円(税別)

  • 島村 麻里

バックナンバー

2008年2月4日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

評者の読了時間1時間50分

おとなの男の心理学

おとなの男の心理学』香山リカ著、ベスト新書、720円(税別)

 本書のタイトルのいきなり逆をいくようであるが、昨今、友人からさまざまに聞かされる。いわく、ダンナとの仲はもう、“カウントダウン期”に入った、と。

 彼女らは、わたしと同世代の50過ぎ。お連れ合いは、あと1~2年で定年を迎える。

 別に熟年離婚しようってんじゃない。ダンナはいずれも上場企業のサラリーマン、年金を当てにせずしてなんとする。が、「これまでさんざんお守りしたぶん、わたしだって家事からリタイアしたい」という人から、「別居?もちろん考えてる」とのたまう人まで、いずれも相当マジなのだ。

 メディアが騒ぐほど深刻じゃないのでは?なぁんて思っていた。が、熟年夫婦の危機、それも男の側は結構ヤバかったりするのではないか。そこで本書である。

 熟年夫婦間の溝は、年々深まる一方。著者は診療室に持ち込まれるケースを挙げながら、この問題に迫る。

「同じ部屋にいたら寒気がする」

「夜、寝たらそのまま起きて来なきゃいいのに、と毎晩、思う」

 リカ先生が勤務する病院には、こんな悩みを訴える50代、60代が訪れる。「女性外来」なので、いずれも妻側の声だ。暴力や不貞といった明確な理由というより、ひたすら夫が「生理的にイヤでたまらない」ために、こころに変調を来す例が多いのだそうだ。

 定年後何年経とうが昔の肩書にしがみつき、一向に気持ちの切り替えが出来ぬ夫。リストラの場合を含め、仕事を失うと同時にアイデンティティ喪失状態となり、ふさぎ込んだり、キレたりする夫……。男と女の違いはどこにあるのか。

「余生」を生きるのは難しい

 たとえば、「完成途上の人生」vs.「完成済みの人生」である。妻は、自分のこれまでの、そしてこれからの人生を真剣に見つめ、自分らしい人生をまっとうしたいと考える。対して夫は50も過ぎると、仕事に励み、家族もきちんと養ったという自負とともに、人生に対する達成感に浸りがち。そのズレが夫のリタイア後、いよいよ夫婦ふたりきりの時間を迎える頃、深刻な裂け目として口を開ける。

 「(ごはんが)『おいしかったよ』とも言えない愚鈍さ」「老いを拒否するのは女性より男性の心理」などといった「男の老い方」の下手さ加減。もうだれも来て欲しくないのに、「非常勤顧問」という曖昧な名刺と共に定年後何年も会社に顔を出し、「オレを知らンのか!」と怒鳴り散らす元幹部。あるいは10年も不倫した挙げ句、愛人に娘の就職を取り持たせようとする大学教授――。

 読むだに、冒頭に挙げた友人のダンナらに、思わず本書をつきつけたくなってくる。そのくらい、世の熟年男に手厳しく、女の読み手にとっては痛快な内容だ。

 ただし実際には、ふてぶてしい熟年男ばかりではない。

 現に、年間3万人もが自ら命を絶つ日本人のうち、50代以上の男性は約半数強を占める。熟年男とは、じつは人生の危うい時間を生きているのだ。

コメント10件コメント/レビュー

すべては毎日の生活している相手が自分と同じ人間だと思わないことに尽きるような気がします。想像力の欠如っていうのはこういうことを言うのかな…。(2008/02/12)

「NBO新書レビュー」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

すべては毎日の生活している相手が自分と同じ人間だと思わないことに尽きるような気がします。想像力の欠如っていうのはこういうことを言うのかな…。(2008/02/12)

こういうところに出てくる、配偶者を嫌悪する人たちの人生って何だったんだろう。女性の場合、目先の楽を取った結果(好悪より稼いでくれる人を選んだ)で自業自得なんじゃないかと思う。そんなに嫌なら結婚しないか、早く離婚しておけば自分の人生が豊かになっただろうに。男性もまた家庭に安らぎや居場所がなくて、何のために働いてきたのだろう。男が、女がというより どっちもどっち、ある意味似たもの夫婦なのかも(2008/02/05)

コメントも殺伐としてますね。お互い仲良くやるための方法を考えるというより「オトコが悪い、いやオンナの方が悪い」って、どっちもどっちじゃないかなあ。納得して結婚されたのだろうし、世間体はよかったはずだし、いろいろ便利なこともあったはず。もっとお互いいたわりあうにはどうしたらいいのか、という知恵を出すコメントがあってもいいんじゃないでしょうか。オトコとオンナしかいないのだし、楽しくやることを考えないと。(2008/02/04)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「タイム・トゥ・マーケット」で売らないともうからない。

栗山 年弘 アルプス電気社長