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「仕事」と「家庭」と「広告」と

  • 岡 康道,小田嶋 隆,清野 由美

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2008年2月22日(金)

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―― 小田嶋さんがアルコールに依存しているころ、岡さんは仕事に依存していました。

小田嶋 岡は30代は猛烈に働いていたよね。

クリエイティブディレクター 岡 康道氏

クリエイティブディレクター 岡 康道氏 (写真:大槻 純一、撮影協力:「Cafe 杏奴」)

 働いていた、俺は。

小田嶋 俺は30代は一番働いていなかった。何しろアル中だから(前回参照)。

 僕は夏休みも取ったことがなかったもんね。28歳で(電通の)クリエイティブ局に移ってからは。異常に仕事にのめり込んで、朝も晩もなく。ほら、営業で入って5年たってるから、同期のクリエイターたちとは5年遅れちゃっているわけ。とにかく同期に追いつこうと思って焦っていた。

小田嶋 そうか。

 帰るのが面倒くさいから、机に突っ伏して寝ていた。朝になれば誰かが来るから、それで起きればいいや、と思って、一人暮らしのアパートにすら帰らなかったんだよね。

小田嶋 20代、30代だったら、それでもっちゃったりするし。

 うん、体力もあったし。今、そんなことをしたら死にますけどね。間違いなく、すぐ死んじゃいますが。

―― 岡さんがワーカホリックになっていたというのは、今、プラスマイナスで振り返ると、プラスでしょうか。

 僕みたいに特別、能力が高くない人間は、ワーカホリックにならない限りスキルは上がらない。それだけは言えます。熱中しないと使い物にならないんですよ、結局、職人だから。28歳で営業からクリエイティブに移って、普通のペースでやっていては、技術が手に入らない。

5年遅れを取り戻すには、家に帰るヒマはない

小田嶋 28歳って、出遅れってことないの? 

 出遅れていたよ、5年間。

小田嶋 やっぱりそうなのか。

 だって5年目の僕が、新入社員と同じ研修を受けているんだもん。1人だけおじさんみたいになっちゃって。

小田嶋 だよね。

 だから追い付こうと思う気持ちが強くあったし、36歳くらいまでは、本当に仕事しかしてなかったね。それ以降は、結構仕事も認められて、ま、この先はだいたい大丈夫だろうと、だんだん手を抜くようになっちゃった。正直に言えばね。

小田嶋 岡は36歳ぐらいで、すごく世間に認められるようになったから。でも長くはできないよね、無理って。

 逆に8年はやった。だけど、人として失うものもたくさんあったと思う。反省はしていないけど、残念だな、というのはある。だから、親戚の子が広告制作者になりたいって言うと「やめとけ」って僕は言う。仕事以外のことは一切できなくなるし、しかも幸運でなければ成功しない。「幸運だけれど、不幸だった」と言われたのはマルコ・ポーロだったっけ。(最後、つぶやき)

小田嶋 お前はいつか「会社に入ったら出世しなければ面白くないよ」と言っていたけど、それは俺にもよく理解できたよ。会社の中で自由を得るって、出世でしかありえないわけだから。マルクスが「自由とは権力のことだ」と言っているけど、これ、さすがにうまいよね。組織にいる限り、自由になるためには出世しなければならない。

 自由とは「自らをもって由とする」ことだし。中江兆民だっけ、Freedomの翻訳は。(最後、つぶやき)

小田嶋 だから、世間で失敗といわれるようなことを成功と思い込むことが本当にできたら、そいつは成功しているよね。要するに、仕事がもたらす「成功」という言葉の生臭さを中和できるような人生観を持てればね。

 仕事は人生において重大なことだが、同じように結婚も大きいことだ。結婚して子どもが育っていく中においては、家庭で暮らすこと自体が幸せなら、少なくとも人生の半分は成功したんじゃないのかな、ということ。

偉くなって、自由になって、その先には

コラムニスト 小田嶋隆氏

コラムニスト 小田嶋隆氏

小田嶋 若いうちは仕事で成功しないと、いい女なんてもらえないと思っているでしょう。

 でも実は関係ないんだよね。すごく偉くなっても、家庭環境で悩んでいる人は大勢いるし。

小田嶋 せっかくお金もあって男前なのに、嫌な女をつかまえているやつもいるし。

 だけど、幸せな家庭があり、それでも仕事、仕事で家に帰れないというのもつらいよなあ。いっそのこと、家庭がない方が仕事はしやすい。しかし、家庭がある場合どうするか? これは難しいよ。奥さんの考え方にもよるが、まさか「亭主元気で留守がいい」なんて女性も実際はいないしね。

小田嶋 鶏と卵、どっちが先か分からないけど、仕事をやり過ぎて家庭がだめになるのか、家庭がだめだから、みんな仕事に逃げるのか。

 僕は後者だと思いますね。だめになった家庭から仕事に逃げる、の方が圧倒的に多い。でも、そもそも仕事で家を空けたのに・・・・・・という割り切れなさはある。まあ、仕事は無条件に働く者を受け入れるけど、家庭は夫を無条件に受け入れてはくれないからね。

小田嶋 俺はそうじゃないけど、結構、仕事をものすごくやってるやつって、家庭から逃げている気配は感じるよ。

―― 仕事と家庭は二律背反なんですか。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官