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でかい求人広告ほどダメ。その心は?~『自分に適した仕事がないと思ったら読む本』
福澤徹三著(評:朝山実)

幻冬舎新書、720円(税別)

2008年2月21日(木)

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評者の読了時間2時間00分

 Sさんは、日本の映画界で五本の指にはいるキャメラマン。その彼が休みの朝は、新聞の求人欄をながめているという。いい仕事はないものか。ながめては、転職を考える。

 企業では肩叩きをされそうなトシだけに、ふつうに考えれば、いまの仕事を続けるしかない。しかし、余地がないと確認することで、逆にハラがくくれるのだとか。

 Sさんの転職願望がどこまでマジなのか。酒を飲みながら笑って話すし、映画一筋に生きてきた人が、よその芝生に憧れているだけのようにも見える。それでも、「出版社の○○って知っている? 何カ月かに一度、経験不問で年齢制限もおおまかな求人広告を見かけるけど、どんなところなの?」と聞いてくるので、まるでフリだけというのでもないらしい。

 さて、本書はタイトルにあるように、転職を考えている人のためのガイドである。わざわざ副題で「落ちこぼれ」と対象を限定しているが、なかなか職場に満足できずにいる人という意味合いだ。

 著者自身、転職を繰り返してきた「落ちこぼれ」で、雇われる側だけでなく、人を採用する側にもいた。ところどころ体験をもとに、がんばりどころを指南する。

 たとえば、求人欄の見方。広告としての露出が大きいほど、働く側にとっての条件はよくない。

 企業の側からしても、露出が大きいということは、求める人材を絞り込んでいない証拠。著者が広告代理店で、求人広告をだす立場にいたときの話だが、新聞を見て、「広告にあるコピーライターというのは、コピーをとる仕事でしょうか」と電話してくる主婦。「デザイナーちゅうのは、おれでもできるもんやろうか」と、ドスの利いた声でたずねるとび職の男性。誰もが目にするメディアに求人をだすというのは、誰が応募してきてもいいということで、企業は、応対を考えるとリスクも大きくなる。

 反面、効率のいい例としてあげているのが、電通のある中途採用。広告関係の専門誌に、ほんの数行を載せるだけ。「日頃からこういう本を読んでいるひとにしか、応募してほしくないんです」と、担当者は語る。それでも、数人の採用枠に6000人の応募があったとか。

 サーチエンジンのグーグル社の求人広告になると、さらに手が込んでいる。

 シリコンバレーの道路沿いに、難解な数学の問題と「.com」の表示のある看板がある。問題を解いて、解答に「.com」をつけてアクセスすると、またもや問題があらわれ、これを解くとグーグルの研究開発部のページにたどり着く。

 そこでようやく、プログラマーの求人広告だと知ることになる。伸びる企業は、求人広告ひとつにして、工夫するものだという一例だ。

字は上手な方がいいだろうか…

 というふうに、仕事を求める者も、雇用する側の思惑まで想像をひろげてみると、見えるものもちがってくる。漫然と同じ求人広告を載せている企業は、社員が長続きしない職場と察しがつく。履歴書の書き方にしても、杓子定規にとらえなくてもいいのだと得心するのが、著者が専門学校で生徒を指導したこんな一例。

〈だいたい既製の履歴書というのが、学歴と職歴をのぞけば、どうでもいいようなことを書く欄ばかりです。(中略)学生たちは黙っていると(免許資格の欄に)「ビジネス能力検定三級」とか「英検四級」とか書いたりします。要するに「自分は仕事ができませんし、英語もわかりません」と書いているのと一緒で、これならなにも書かないほうがましです〉

 送られてくるのは似たような履歴書ばかりで比べようがない。だから企業が選考の目安にするのは、「まず顔写真」。つまり、第一印象。誰だって、わざわざ、感じのわるい人間を選んだりはしない。

 次が、「字」。上手にこしたことはないものの、下手なものはしょうがない。要は、読む側のことを考えて書いたものどうか。著者の指導は、相手の立場になって、手間をかけなさい。

 字が汚いなら、いっそ既製の履歴書を使わず、パソコンでオリジナルの履歴書を作ってみるという方法を薦める。そして一筆、「このたびはよろしくお願い申し上げます」と手紙を添えれば、好感度は増す。

 しかし、ここで著者に、学生から決まって、既製の履歴書を送れと書いてあるのに大丈夫だろうか、との質問が寄せられるという。

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