• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

よき消費のために必要なこと

  • 小橋 昭彦

バックナンバー

2008年2月26日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

ムラからの手紙

 牛舎館という施設を管理しています。

 といっても、わが家の庭にある、名前の通り昔は牛舎として利用していた建物を、そのまま古農具の展示施設として提供しているものです。昭和30年くらいの木造平屋建ての建築。ぼくが中学生の頃まで現役だったでしょうか、そこで子牛にミルクをやった覚えがあります。3頭から5頭くらいの牛がいたはずです(一時は別のところに建てた牛舎内も含め二十頭くらいの乳牛を飼っていたのです)。父母が年をとるとともに、牛飼いはやめ、それからでもおよそ二十年。もっとも、当時低温殺菌牛乳の会で知り合った消費者の方々と、今もお米や野菜の直販でお付き合いがあったりもするのですから、人のつながりとは不思議でもあり、ありがたくもあります。

 その牛舎館。牛飼いをやめた後は利用するあても無く、使わなくなった農機具などの物置として利用するだけで、ずいぶん埃をかぶっていました。弟がUターンして農業を継ぎ、専業となったものですから、新しく購入する農機類の置き場を作るために取り壊そうか、という話になりました。

 しかし、せっかくの木造建築を取り壊すのも惜しく、ちょうど蔵などに古い農具を捨てられないまま置いていたこともあり、いっそ床や壁をきれいに掃除して、これら眠っている古農具類を置いて展示館にしたらどうだろうと相談したのです。そうして3年ほど前に完成したのが「牛舎館」です。

捨てるよりは使ってもらおう

 もともとわが家で眠っていた農具類を並べただけですから、価値のあるものが揃っているわけではありません。だから展示物も、自由に触ってもらえるところが特色といえば特色です。つい先日、市の民俗資料館で案内ボランティアをされている方が、一度見ておこうと思ってと、来られていました。「資料館では触ったらあかん、と注意するのにたいへんやのに、おもしろいことやなあ」と笑っていらしたことでした。

 そんな施設ですが、小学校3年生で習う「昔の道具」授業で活用いただくことが増えました。

 1年目は1校だったのですが、今年は5校から体験に来られました。秋に刈りとった稲をはぜかけにして置いているのですが、古農具を利用して、それを玄米にするまでを体験してもらいます。ちなみに「はぜかけ」というのは、刈った稲を束にして、木のウマにかけて天日干しすることをいいます。最近は見かけませんが、秋の稲刈り後の風景として、懐かしさを感じる人も多いことでしょう。

 お米を作る過程のうち、田植えや稲刈りは、写真でもよく見かけますから、どんな作業かイメージしやすいのではないでしょうか。あなたも子どもの頃に、農業体験などでやってみたことがあるかもしれませんね。では、刈りとった稲が、店頭であなたが買うお米になるまで、いったいどんな作業が挟まるのか。こちらはご存知でしょうか。

稲が玄米になるまで

 作業としては、まず刈りとった稲穂からモミをはずす作業があります。わかりやすく言えば、あの草のようなところから、殻のついた一粒一粒をとる作業です。脱穀といいます。この作業、昔はセンバ(千把、千歯)といって、クシが大きくなったような道具に穂を通し、すくようにして落としていました。その後、ブラシを円筒に植えたようなものを、足で踏んで回し、そこに稲穂を当ててモミをとばす道具ができました。足踏み脱穀機です。牛舎館ではこれを体験してもらいます。

 脱穀した後の米(モミ)は、まだ殻をかぶっています。この殻を脱がせば玄米になりますが、さてどうして脱がすか。ここで利用するのがトウウス(唐臼)と呼ぶ道具。子どもの胸くらいまでもある、大きな臼で、土でできた重みのある構造になっています。

 どんな道具かというと、ちょうど「臼」という漢字そのままで、上下に分かれた円筒形です。上半分だけを回し、下半分の台座との間でモミを摺って殻を脱がすのです。モミは上側中央の穴から入れます。それが摺られつつ外側に押し出され、殻と玄米となって側面からパラパラとこぼれ落ちてきます。もみすりと呼ばれる作業です。

 これでモミ殻がはずれ玄米になったのですが、トウウスからこぼれ落ちたままで、まだ殻と混じっています。玄米だけにしたいですよね。そこで、風の力を利用します。玄米と比べ殻は軽いですから、風で殻だけ飛ばしてしまえばいいわけです。これをするのが、トウミ(唐箕)と呼ばれる道具。扇風機のようなものを手で回し、起こした風で殻を飛ばします。玄米と殻はトウミの上から入れ、そのまま重力にまかせます。風の中を落ちる間に殻は飛び、玄米だけが下の取り出し口から出てくる仕組みです。

 子どもたちがもっとも盛り上がるのは、このトウミです。

コメント0

「ムラからの手紙」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

もう中山素平のような人物が銀行の頭取という形で現れることはないだろう。

佐藤 康博 みずほフィナンシャルグループ社長