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空回り感に効きます。『「治らない」時代の医療者心得帳』
~上手な距離の取り方

  • 澁川 祐子

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2008年3月19日(水)

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「治らない」時代の医療者心得帳

「治らない」時代の医療者心得帳』春日武彦著、医学書院、1400円(税抜き)

 突然ですが、質問です。以下に「はい」「いいえ」でお答えください。なお、いずれの質問も仕事上での場面を想定しています。

  • 一生懸命やっているつもりが、ときどき空回りしている
  • がんばったのに結果が出ず、悔しい思いをしたことがある
  • 信頼していた仕事仲間に裏切られたと思ったことがある
  • 正しいはずの自分の意見が通らず、イライラしたことがある
  • 自分だけががんばっていて、まわりは呑気だと思ったことがある

 「はい」が1つでもあった人は、「がんばりすぎ」の可能性があります。『「治らない」時代の医療者心得帳』を読んでみましょう。

 ……というわけで、『「治らない」時代の医療者心得帳』である。この本は精神科医・春日武彦先生が、一人前の医者を目指す研修医の人に宛てて書いたもの。研修医の悩み相談に春日先生が答える、というQ&A方式になっている。読者対象は表向き「医療に従事する人々」だが、「働くこと」について少しでも悩んだことがある人にも示唆に富む一冊だ。なぜって、実際この本に書かれているのは、仕事における「上手な距離の取りかた」だから。

 本書の読みどころは、研修医のもやもやとした悩みに対する、春日先生の答えかたにある。

車間距離に注意!

 たとえば、話をじっくり聞いてくれる先生を「いい」と精神科の患者が評価しているのを耳にした質問者が、話を聞くだけなら親切おばさんだってできるじゃないか、それだけでは医師として寂しい、と訴えかけるのに対し、

〈患者さんが救われれば、結果オーライじゃないかと私は思います。(中略)わかりやすい達成感を望むのなら、たとえば自動車修理の仕事でもすればよろしいのではないでしょうか〉

 とあっさり一度は突き放し、続けて

〈誰にでもできるようなことをしているのに誰もが達成し得るわけではない結果を引き出すところにこそ、精神科医の喜びがあると思いますね〉

 と、でもそこには希望があることをやんわり指し示す。決して「こう」と一方的な断定はしない。「~ではないでしょうか」「だと思いますよ」と、あとは相手に答えをゆだねてしまう。そうした春日先生と質問者とのやりとりこそ、この本が言わんとしている「上手な距離の取りかた」の見本なのだ。

 仕事と自分の距離。同僚と自分をはじめ、仕事で関わる人との距離。距離は、近すぎても遠すぎてもうまくいかない。特にこの本では、駆け出しの人間にありがちな「距離が近すぎる」ケース、つまり仕事に熱心になるあまり「がんばりすぎる」ケースに「ちょっと待った」をかける。

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