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ネイティブに習えば上達する、なんてウソ!~『語学はやり直せる!』
黒田龍之助著(評:島村麻里)

角川oneテーマ21新書、720円(税別)

  • 島村 麻里

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2008年3月26日(水)

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評者の読了時間1時間30分

語学はやり直せる!

語学はやり直せる!』黒田龍之助著、角川oneテーマ21新書、720円(税別)

 この春こそ、○○語に(再)チャレンジしよう!

 テレビ&ラジオの語学講座も新シリーズが始まる4月、そう意気込んでいる人は、当欄読者にも少なくないのではないだろうか。

 評者の場合は、大昔にかじって以来挫折しっぱなしのフランス語だ。パリに行くたび、「今度こそ!」と決意を新たにするものの、ちっとも聴けない話せない。ああ、あっという間に上達するメソッドがあったら……!

 そんな都合の良いメソッドを謳う語学書や会話学校は、はっきりいって詐欺である。

 ……と、本書は断じる。そんなのは過激なダイエットと一緒。一時的には効いても結局リバウンド、つまりすぐ忘れる。減量同様、語学習得には一定の時間がかかるのだ。

 さりとて、根性だけでもやり直せない。語学は文化。従来の語学教育は、楽しむことを考えてこなかった。それじゃあ続くわけがない。

 ネイティブに習ったほうが速く身につくだとか、現地に行けば上達するだとか、ニッポンの語学学習には「常識」が多すぎると、著者は怒る。どれもぜーんぶ嘘。語学の初歩は日本語人教師に日本語で習うべきだし、「現地」に長くいることと、現地の言語が上達することはまったく別、などと喝破する。たしかに、トウキョウに何年住んでいようが、日本語をほとんど解さない外国人――主に英語圏の人――はいる。

 中学高校の成績が悪かったので。先生がヒドかったので……。

 なかでも英語学習には「暗い過去」がつきまといすぎている、とも。失恋がトラウマとなり、次なる恋になかなか踏み出せないってのと似てるのかもね(と、これは評者の喩えだけど)。

 にもかかわらず、と、著者は嘆く。現代は、語学が生存競争の道具になってしまっている。ケチな実用主義がはびこり、語学――とはいっても大半が英語で、あとはせいぜい中国語くらい――はいまや、就職や昇進にまで影響する。これで楽しいわけがない! と。

語学がそんなに好きなの? ちょっと引きますが…

 じゃあ、NHK「ロシア語講座」の人気講師でもある著者・黒田先生自身はどんな語学学習をしてきたのかというと、これが……なんである。

 中学時代に「何の偶然か」ロシア語に興味を持った著者は、以来、学校の勉強とはまったく別に、セルビア語やブルガリア語などに次々取り組み、とくに留学や海外赴任などの経験を持たずに語学のプロとなった。

 現在も多言語学習に余念がなく、スティーブン・キングをチェコ語やクロアチア語で読む。日々の通勤電車内では、文字攻略のため、アラビア文字やヘブライ文字をひたすら睨む。キーボードでリトアニア語のテキストを打ち続ける傍らインターネットで多言語放送を聴き、未踏のスペイン語については子ども向辞書を、まさしく”写経”する……。

 「本来字を書くことが好きなので」ともおっしゃるが、いやはや、とてつもなくマニアックである。寝しなに仏料理のメニューを眺めるのが日課(アラカルトの解読に挫折せず、今度こそ旅先で食べたいものにありつきたい!)程度の評者なんてとてもとても、である。

 ゆえに、本書を最初から順に読むと、著者の華麗なる”語学オタク”ぶりに、かえって引いてしまう人もいるだろう。そんなときは、後ろから先に読もう。第六章「たとえば英語学習をやめてみる」だ。

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