蚊の口吻の形に着想を得て、表面をギザギザに加工し、刺すときの痛みを軽減した採血針が開発され、話題になったことをご記憶だろうか?
いま、バイオミメティクス(生体模倣)と呼ばれる研究分野が世界中の科学者から注目を集めている。地球上の生き物がもっている機能やデザインから着想を得て、工学や材料科学、医学などに生かそう、という学問だ。
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その成果はさまざまな分野で生かされつつある。例えば、オリンピックなどで競泳選手が着用している水着にサメの肌が応用されているというのは有名な話だ。無数の鋭い歯のようなウロコにスピードを生む秘密があるという。
また、壁や天上にくっついて歩けるヤモリの足の構造にも関心が集まっている。試しに、トッケイヤモリの足指を調べると、表面には極細の毛がびっしり生えている。1本の指にザッと650万本もあり、分子間の力が作用して壁にくっついたり、すぐにはがれたりできる仕掛けだという。
こうした“吸盤足”の研究をしているスタンフォード大学のチームは、ヤモリを模したロボットを開発した。足裏パッドは毛の向き次第で簡単にはがれる。
現状ではスピードが遅いのが難点だが、将来は人命救助用などに応用したいと研究チームは期待する。
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