昨季末から今季にかけて連勝記録を重ねていたタイガー・ウッズの独走ぶりを見て、「さすがはタイガー、すごいなあ」と賞賛の声が上がったが、その一方で「他の選手たちは一体何をやっているんだ。情けない」という批判の声も上がった。
タイガーが強すぎるのか。それとも他選手が弱すぎるのか。答えを出そうとしても、これはいわゆる「ニワトリとタマゴ」論争。どっちがどっちなのか。正確な答えは、いつまでたっても出ないだろう。
さて、「ニワトリとタマゴ」論争と聞いて、すぐさま思い出されるのは06年の全米オープンだ。あの大会の最終日終盤、優勝にリーチをかけていた選手は数人いたが、最後の最後はフィル・ミケルソンが勝つと思われる展開だった。しかし、すべてが終わってみれば、優勝候補にもなっていなかったオーストラリアのジェフ・オギルビーがチャンピオンに輝いていた。
そんな結果を受けて米国のゴルフファンたちが「ニワトリとタマゴ」論争を起こした。「ミケルソンが崩れたからオギルビーが勝てたんだ。オギルビーの優勝は棚ボタだ」と片方が言えば、「いや、オギルビーの粘り強さがミケルソンの崩れをもたらしたのだ」、と。
ミケルソンが崩れたのは確かだ。72ホール目。ドライバーショットは大きく左に曲がり、ビッグテントを直撃。グリーンを無理矢理狙った第2打はバンカーにはまり、第3打はグリーンを越えて逆側のラフへ。ダブルボギーを喫し、18番グリーン上で思わず頭を抱えてしゃがみ込んだあの姿と記者会見で発した「オレはなんてバカなんだ」という言葉は、彼自身が最終ホールで信じられないミスを連発したことを実証していた。
だが、ミケルソンが崩れたことだけがオギルビーの勝因ではないことも確かだ。優勝を目前にしていた数人の選手たちの中で上がり3ホールをすべてパーで切り抜けたのはオギルビーただ1人。「パーとの戦い」と言われる全米オープンでパーを拾い続けたからこそ、オギルビーが勝利を手にしたのである。
そのオギルビーに、昨今話題の「ニワトリとタマゴ」論争をぶつけてみたら、彼はこんなふうに答えてくれた。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。











