「米国ゴルフツアー “たった一言”ストーリー」

ムカつくよ ― ジェフ・オギルビー

That's frustrating because we are trying.(オレたちだって頑張っているのに、ムカつくよ)

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2008年4月10日(木)

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ジェフ・オギルビー

That's frustrating because we are trying. ― ジェフ・オギルビー

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(写真:田辺 安啓)

 昨季末から今季にかけて連勝記録を重ねていたタイガー・ウッズの独走ぶりを見て、「さすがはタイガー、すごいなあ」と賞賛の声が上がったが、その一方で「他の選手たちは一体何をやっているんだ。情けない」という批判の声も上がった。

 タイガーが強すぎるのか。それとも他選手が弱すぎるのか。答えを出そうとしても、これはいわゆる「ニワトリとタマゴ」論争。どっちがどっちなのか。正確な答えは、いつまでたっても出ないだろう。

 さて、「ニワトリとタマゴ」論争と聞いて、すぐさま思い出されるのは06年の全米オープンだ。あの大会の最終日終盤、優勝にリーチをかけていた選手は数人いたが、最後の最後はフィル・ミケルソンが勝つと思われる展開だった。しかし、すべてが終わってみれば、優勝候補にもなっていなかったオーストラリアのジェフ・オギルビーがチャンピオンに輝いていた。

 そんな結果を受けて米国のゴルフファンたちが「ニワトリとタマゴ」論争を起こした。「ミケルソンが崩れたからオギルビーが勝てたんだ。オギルビーの優勝は棚ボタだ」と片方が言えば、「いや、オギルビーの粘り強さがミケルソンの崩れをもたらしたのだ」、と。

 ミケルソンが崩れたのは確かだ。72ホール目。ドライバーショットは大きく左に曲がり、ビッグテントを直撃。グリーンを無理矢理狙った第2打はバンカーにはまり、第3打はグリーンを越えて逆側のラフへ。ダブルボギーを喫し、18番グリーン上で思わず頭を抱えてしゃがみ込んだあの姿と記者会見で発した「オレはなんてバカなんだ」という言葉は、彼自身が最終ホールで信じられないミスを連発したことを実証していた。

 だが、ミケルソンが崩れたことだけがオギルビーの勝因ではないことも確かだ。優勝を目前にしていた数人の選手たちの中で上がり3ホールをすべてパーで切り抜けたのはオギルビーただ1人。「パーとの戦い」と言われる全米オープンでパーを拾い続けたからこそ、オギルビーが勝利を手にしたのである。

 そのオギルビーに、昨今話題の「ニワトリとタマゴ」論争をぶつけてみたら、彼はこんなふうに答えてくれた。

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著者プロフィール

舩越 園子(ふなこし そのこ)

在米ゴルフジャーナリスト。早稲田大学政経学部卒業後、広告代理店勤務を経て、独立。1993年渡米。ロサンゼルスを拠点に米国のゴルフ界を取材し続け、日本の新聞・雑誌等へ幅広く執筆中。



このコラムについて

米国ゴルフツアー “たった一言”ストーリー

米国のプロゴルフ界を取材しながら常々感じていることがある。それは、大物選手ほど簡単な言葉で奥深い話をするということだ。奥深いと言っても、哲学めいた小難しい話をするわけではない。選手が口にした一言に、その選手のバックグラウンドや素顔を重ね合わせて咀嚼すると、なるほどと頷ける何かが浮かび上がる。その「何か」は我々の人生にもあてはまり、ときには「目からウロコ」のような効果さえ発揮してくれる。そんなとき、その一言に感激し、その選手の大物ぶりにあらためて脱帽させられるのだ。

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