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道具を作り、狩りをするセネガルのチンパンジー

ニーチェもキューブリックもびっくり!?

  • 藤田 宏之

バックナンバー

2008年4月11日(金)

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 スタンリー・キューブリック監督は、映画「2001年宇宙の旅」の中で、単なる石を初めて武器として使った類人猿の姿を通して、「進化」を表現した。リヒャルト・シュトラウス作曲の「ツァラツストラはかく語りき」のBGMとともに、一度見たら忘れられないような印象的な名場面だ。

 あのシーンを彷彿とさせるような、道具を使って狩りをするチンパンジーが、セネガルのサバンナで発見された。研究が進めば、人類の進化の謎をひも解く手がかりが見つかるかもしれないと期待されている。



初めて子どもを産んだニッケルが、生後間もないわが子のテバを抱いて横になる。仲間たちはこぞって群れの新しい仲間テバの毛づくろいをしたがったが、赤ん坊に近づくことを母親から許されたのは孤児のマイク(右)だった。大人の雄は木の枝をゆすって大きな音を立てたりするから嫌がられるのだ。
初めて子どもを産んだニッケルが、生後間もないわが子のテバを抱いて横になる。仲間たちはこぞって群れの新しい仲間テバの毛づくろいをしたがったが、赤ん坊に近づくことを母親から許されたのは孤児のマイク(右)だった。大人の雄は木の枝をゆすって大きな音を立てたりするから嫌がられるのだ。

 林の中で、34頭のチンパンジーが一斉に目を覚ました。まだ全員、昨晩作ったばかりの寝床の中にいる。野生のチンパンジーは起き抜けに大声で叫ぶ。

 研究者たちはその叫び声を聞き分け、「パントフート(長距離音声)」や「スクリーム(悲鳴)」といった専門用語で分類しているが、普通の人には、ただの陽気なばか騒ぎにしか聞こえない。そのあまりのにぎやかさに、聞いているこちらもつい笑ってしまう。

 セネガル東部とマリ西部の国境付近に生息するニシチンパンジーの群れだ。生息域を流れる川の名前にちなんで「フォンゴリ・グループ」と呼ばれている。

 熱帯雨林にすむチンパンジーとは違って、日中の大半を地上で過ごす。生息域に高木の密林はなく、低木林がところどころにあるだけだ。初期人類が進化を遂げた、アカシア属の低木が多い大地とよく似ている。そのためフォンゴリ・グループは、人類の起源の謎を探求する研究者にとって、特別な意味をもった存在だという。

 緑豊かな土地に慣れた霊長類がここで生き抜くためには、環境に適応して行動する必要がある。人類の祖先であるヒト亜科(二足歩行の類人猿)が進化を遂げたのは500万年以上前、極度に乾燥した気候のなかで広大な草原地帯が誕生した中新世のころだ。

 そこには果実のなる木や1年中水に満ちた川や湖は存在しなかった。私たちの祖先は変わりゆく環境の下で、食物と水を求めて生息範囲を広げ、生き延びるための工夫をせざるを得なかったのだ。

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