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誰のために戦うのか? ― 崔京周

I don't like to say I have to win it this year.(今年、勝たなきゃとは言いたくない)

  • 舩越 園子

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2008年4月17日(木)

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崔京周

I don't like to say I have to win it this year. ― 崔京周

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(写真:田辺 安啓)

 メジャー優勝に一番近いアジア人選手は韓国出身の崔京周だ。かつて米ツアーで一番のアジア人選手といえば、通算3勝を挙げた日本の丸山茂樹だった。偶然にも丸山と崔は同じ2000年から米ツアー参戦を開始。そして、丸山が01年から毎年1勝ずつ、合計3勝を挙げた一方で、崔は02年の2勝のまま、しばらく勝利から遠ざかっていた。

 2人の立場が逆転したのは05年ごろからだ。コース全長が伸び、「僕の飛距離ではどうにもならない」と丸山は悲嘆にくれていたが、崔は「飛ばないなら飛ばないで、私は小技でカバーする」と前を向き続けた。

 そんな姿勢と努力が実を結んだのが05年の3勝目。さらに崔は06年に4勝目、07年に年間2勝を挙げて通算6勝目をマーク。「アジア人で一番」の座を奪い取った。

 だが、崔が意識しているのは米ツアーにおけるアジア人選手内のポジションではない。彼は両肩にのしかかる母国の人々の大きな期待をひしひしと感じている。「私は韓国で一番の男子プロ。私が試合に出れば、ニュースになるし、人も集まる。多くの企業がゴルフの重要性を認識してくれて、国内の若手選手を支えるスポンサーも増える」。崔の頭の中には常に母国がある。

 大好きな韓国に帰りたくはないのか? 崔の返答はこうだった。「母国は懐かしい。帰りたい。でも、メジャー優勝するまでは絶対にアメリカから引き揚げたくない」。

 米ツアー転戦中、つきっ切りで世話をするマネージャーはいない。食事だって、たいていは試合会場近くの韓国焼肉屋へ向かい、たった一人で、ときにはキャディと2人きりで、静かに食し、スタミナを保つ。何でも自分でやるから英語はどんどん上達中。孤独な戦いに耐えながら、いや、その孤独感こそが、彼の原動力になっているのだ。

 そんな崔が、今季最初のメジャーであるマスターズを迎えたときのこと。優勝して母国へ帰りたいという想いを胸に抱きながらも、彼はこんな言葉を口にした。

I don't like to say I have to win it this year.
(今年、勝たなきゃとは言いたくない)

 「勝ちたい」は希望。「勝つぞ」は意志。「勝たなきゃ」は義務。崔の胸の中には、これらすべてがあるはずだが、彼が言った「勝たなきゃとは言いたくない」には、勝つことを義務だと感じることでセルフプレッシャーをかけたくないという意味が含まれていた。

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