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言葉の交流を禁じることで、日本のオンラインゲームは浮上する

2008年5月2日(金)

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 世界中で、オンラインゲームが花盛りです。いろいろな国の人が、主にパソコンでオンラインゲームを楽しみ、国際的な交流を楽しんでいます。

 でも、このタイプのゲームは、もちろん例外はあるとはいえ、あまり日本では流行っていません。なぜでしょう? 

 技術面での遅れでしょうか? いえいえ、きっと違います。たぶん日本人は、オンラインゲームが持つ致命的な欠点を、もっとも敏感に感じ取っているからだと思います。

 その致命的な欠点とは、「オンラインゲームは、言葉を使っての交流が楽しいのだ」という点です。

「母国語縛り」がネットでも引っ込み思案を生む

 だって、そうでしょう? 「チャット(文字による会話)」や「音声チャット(音声による会話)」を使い、つまり特定の言語を使わないかぎり全世界の人と交流できず、真に楽しめないのというのは、誰がどう見ても致命的な欠点です。「自分の母国語以外の言語を介さないと、全世界の人と交流できるという楽しさを味わえない」という欠点を持つゲームに、二の足を踏みがちになる人が出てくるのは、きわめて当然のことでしょう。

 にもかかわらず、それが欠点だと認識されにくかったのは、もともとパソコンは「大人が使う道具」だったからでしょう。また、北米という「2億人を超える人が、ほぼ全員英語を使えるという巨大市場」があることも大きい。極端なことをいえば、英語を使えない人のための利便性に目をつぶっても、充分にビジネスが成立したわけです。

 しかし現在、ゲームビジネスは全世界で拡大しています。あるゆる国で、ごく普通の家庭にある家庭用ゲーム機が、どんどんネットに接続されるようになりつつあります。

 つまり、これまで以上に、さまざまな言語を母国語とする人たちが参加するようになっている、ということです。また、小さな子供たちや高齢者がゲームユーザーになっていくため、母国語以外の言葉を使うのに苦労するユーザーの比率は、どんどん上がっています。そもそも、5歳の子供と90歳の高齢者がユーザーになっていたら、ゲーム内で互いに母国語を使ったとしても、スムーズに交流するのは難しいのですから、他の言語での交流は推して知るべしです。

 このように、さまざまな国籍・性別・年齢の人が参加する時代になった今、それらの人たちを楽しませるためにはどうしたらいいか。

 こうなるとむしろ「言葉を使わないでも交流が楽しめるゲーム」が、強く求められるようになるはずです。そういうゲームこそが、これからのオンラインゲームの成長株になっていくだろう、と予想しています(もちろん、これまでのような言葉を使って交流するゲームも、消えるわけではありません)。

言葉を禁じるからこそ気兼ねしなくなる

 たとえば、全世界の人と競争できるオンライン機能を持つ「マリオカートWii」は、言葉に頼らなくても楽しめるように設計されています。

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「言葉の交流を禁じることで、日本のオンラインゲームは浮上する」の著者

野安 ゆきお

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

ゲームジャーナリスト

ファミコン時代からゲーム業界に参加。1000本以上のソフトを体験し、100冊を超えるゲーム攻略本制作に参加している。ゲーム雑誌編集部、編集プロダクションを経て、現在はフリーランスとして活動中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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