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イヤな女の痛快な人生~『シャネル―最強ブランドの秘密』
山田登世子著(評:島村麻里)

朝日新書、700円(税別)

  • 島村 麻里

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2008年5月8日(木)

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評者の読了時間1時間50分

シャネル―最強ブランドの秘密

シャネル―最強ブランドの秘密』山田登世子著、朝日新書、700円(税別)

「モードは芸術ではない。商売だ」

「モードは死ななければならない……早く死んでくれるほどビジネスにとってはありがたい」

 20世紀における「モードの革命家」ココ・シャネルが、まるでクラスター爆弾のように浴びせるコメントの数々……。たまにコスメを買うくらいで、シャネル・ブランドなど、ひとつも持っていない評者であるが、こうした「過激なご発言」が気になり、読んでみたのだった。

 孤児から身を起こし、恋多き日々を送りながらも、87歳で他界するまで生涯シングルで働き続けた。第二次大戦中は対独協力者のレッテルを貼られ、十何年も表舞台から姿を消していたのに、戦後、70歳にしてカムバック。シャネルっていったい、どんな女だったんだろう?

 本書は、シャネルの「火のように激しく、毒ある」発言に魅せられたという著者がまとめた、いわば「語録で辿るシャネルの生涯」である。

 「自分が嫌なものを流行遅れにする」。彼女のモード革命はここから始まった。

 20世紀初め、ご婦人方が着飾るモノといえば、金ピカでごてごての帽子やドレスが主流だった。そこにシャネルは、ジャージーやニットという、それまで見向きもされなかった素材を持ち込む。

〈レースやコルセットや下着や詰め物で着飾って、汗をかいていたからだを自由にしてやったのよ〉

 シャネルは徹底して、「見せかけの美」を嫌う。流行らせたのは、ツイードのスーツ、短いスカート、黒一色の「リトル・ブラック・ドレス」、イミテーション・ジュエリー、そしてショートカット。けれどもシャネルはいう。

〈ショートカットが流行したのではないわ。わたしが流行ったのよ〉

シャネルが「実用性」を重んじる理由

 ああ、ヤな女ーー! と、ここらで読む気が萎えかける。とてつもない自己チュー女、どこまでも傲慢で上昇志向が強くて……。疲れる。

 しかし、彼女は稀代の働き者なのであった。たくさん恋をしながらも結婚を選ばず、数々の有名人に取り囲まれる日々を送りながら、実際にはあまり外出もしなかったらしい。

〈わたしは新しい社会のために働いた……活動的な女には楽な服が必要なのよ〉

 即ち、実用性の追求である。ジャージーのような伸縮性に富んだ素材、ベージュなどの自然な色合い、両手が自由になるショルダーバッグ。メンズ・ファッションからあれこれアイディアを盗用したのもシャネルが最初だ。1920-30年代、以前より自由に外で働いたり、外出を楽しむようになっていた欧米の女性たちにとって、それらは待ってました、の、機能美追求型ファッションであった。

 「女による女のためのモード」をいち早く世界に向けて発信したシャネルはまた、稀代の商売人なのであった。

 1920年代、米国ではパリ・モードのコピー商品が大量に出回っており、仏服飾業界は頭を抱えていた。そのなかでシャネルはひとり、「偽物」の横行を容認した。

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