「ゾーンに入る」という言葉がある。その意味は「集中力が極限に達し、何をやってもうまくいく状態」なのだと言われている。アマチュアゴルファーも「今、ゾーンに入っちゃってたよ」なんて言い方をする。
だが、「ゾーン」の定義そのものが、どことなく曖昧なだけに、どのぐらいコトがうまく運び、どのぐらい集中力が高まれば「ゾーンに入った」と言えるのか。そのあたりもまた曖昧だ。
米ツアーで「ゾーンを経験したことはあるか?」と尋ねると、「イエス」と答える選手は、さほど多くはない。ゾーン経験者は、せいぜい全体の3割ぐらいだ。
確実に「ゾーン」と思われる状態を経験した代表選手はアニカ・ソレンスタムだろう。01年のスタンダード・レジスター・ピンの2日目に未曾有の「59」をマークしたあのとき、「私は、いわゆるゾーンに入っていた」と彼女は断言した。
ゾーンに入っているときは、一体、何がどんなふうに感じられるのか。ソレンスタムに尋ねた。
「すべてのパットが絶対に入ると感じられた。だって、カップがものすごく大きく見えたんですもの」
なるほど。大きなカップに小さなボールを沈めると思えば、気持ちは格段にラクになる。あんまりパットが簡単で、あんまりバーディが続くものだから、さすがに怖くなり、「8連続バーディのあと、私にはパーが必要だと思ったぐらいよ。それで9ホール目をパーにして、やっと落ち着くことができた」と彼女は振り返った。
ゾーンに入った選手は誰もがソレンスタムと同じように感じるものなのだろうか。5月に米ツアーで初優勝を挙げたばかりの今田竜二に尋ねてみた。最終日はゾーンに入っていたと言う今田は、アニカと同じように「パットは外れる気がしなかった」。しかし、カップが大きく見えたかといえば、「いや、それはなかったですね」。どうやら感じ方は人それぞれのようだ。
ところで、年間グランドスラム達成の期待を担って全米女子プロ選手権に出場した女王ロレーナ・オチョアは、7アンダー65を叩き出した2日目のラウンド後、こんなことを言った。
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