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「おかん犬」と私の『生きるコント』
~スキだらけの人生讃歌

  • 澁川 祐子

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2008年7月9日(水)

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生きるコント

生きるコント』大宮エリー著、文藝春秋、1200円(税抜き)

 1975年生まれ、東京大学薬学部卒業後電通に入社。2006年に独立してからは、映画監督、脚本家、放送作家として活躍。NHKの「サラリーマンNEO」をはじめ、数々の話題作、CM、ミュージッククリップを手がけ、マルチな才能を発揮するいま注目の新鋭(♀)。……こんなプロフィールを聞いて、あなたはどんな人物を想像するだろうか。

 私だったら、ものすごくパワフルでキレ者、常人には近寄りがたいバリバリなキャリア女性を想像してしまう。だが、この一見スキのないプロフィールの持ち主である大宮エリーは、実はとんでもなくスキだらけ、そのスキのありようといったら、ザルを通り越して底抜けのお椀みたいなもんである。それが、旅行の思い出や日々の出来事を綴った何気ないエッセイ『生きるコント』を読めばわかる。

 笑いが疾風のごとく駆け抜け、のけぞること数度。この本を読んで一度も笑わなかった人がいたら、私はその人の顔を見てみたい。それくらい、おもしろいのだ。

 たとえば、関西人の“おかん”とのやりとりを書いた「おかん犬」。

おかんもおかんなら、娘も娘…

 会社勤め時代、忙しくて彼氏もいない寂しさから「犬を飼いたいんやけど」と同居していたおかんに言うと、昔から犬を飼うことを禁じてきたおかんは、

〈「そんなにあんた、犬が飼いたいんやったら、おかんが、犬になったるわ」/一瞬、意味が分からなかったが、おかんは突然、わたしの前で、赤ん坊のようにハイハイをし、ワン、と言った〉

 ワンワン言いながら走りまわるおかんを前に呆然とした“わたし”は、泣きそうになりながら、ムツゴロウを思い出しつつ犬となったおかんと戯れる。おかんの頭をなで、キスをする。それでもおかんは鳴きやまない。負けたと思ったわたしが「もう犬を飼いたいなんて、言いません」とつぶやくと、おかんは、

〈あっさり、そやったらええわ、と言い、さっと立ち上がって台所のほうに消えた〉

 犬になっちゃう母も母だけど、ムツゴロウになって応戦する娘も娘だよ! そのほか、リオのカーニバルを観に行って、黄色いビキニで町を全力疾走した話だとか、初監督作品の映画について取材を受けて、メークさんに「ひげ、剃っていいですか」と言われた話だとか。普通だったら恥ずかしくて人に言えないエピソードを、惜しげもなく連発する。恥のさらしっぷりが、そりゃもう見事なのだ。

 なぜかくも大宮エリーはたくましいのか。

 その理由は、幼い頃の「いじめ体験」にある。大阪から東京に引越してきた著者にとって、いじめの原因は関西弁だった。その経験があるから、

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