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単位についての細かな話

『単位の進化』高田誠二著 講談社学術文庫 900円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2008年7月11日(金)

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『単位の進化』高田誠二著

『単位の進化』高田誠二著

 いきなりアポロ宇宙船の月面着陸の通話から始まる。このときヒューストンと月面着陸船との交信で、メートルとフィートが混在して、同時に使われていた。着陸船と地球の管制官とで、異なる単位が使われていたのだ。

 今、日本で日常に使われている単位はメートル法である。そのメートル法の真価を問うような実験が、このとき月面で行われた。月面に立った宇宙飛行士が、月面に反射鏡を設置した。地球上からこの反射鏡をめがけてレーザーが発射された。それが、跳ね返ってくる時間を計測し、地球と月面の距離が計算される仕組みだ。

 このとき検出された月と地球との距離には従来の計算とは40メートルの誤差があった。この観測で精度は10のマイナス7乗からマイナス8乗へと飛躍したという。10のマイナス7乗は1000万分の1である。それが一桁上がってマイナス8乗、つまり1億分の1にまで達した。

 メートルとフィートが混在した問題について。これは国際単位と民族単位が混在したからだ。フィートは人間の足の裏のかかとと爪先までの、長さが起源だ。古来からのさまざまな単位の決め方は、民族学的におもしろい。ヤップ島は石の硬貨で有名だが、体積は良く実ったヤシの実の殻を体積の単位にしていて、ちょうど1タグは1リットルほどだという。

 インドには牛の叫びという距離単位がある。牛の叫び声が聞こえる距離を1単位とするのだという。ボルネオでは牛がニワトリに代わる。ペルシャではラクダが1時間に歩く距離を1単位とし、帆船航海時代に使われた1リーグという距離は、人間が1時間で歩く距離、約4.8キロである。

 ところで現在使われている1メートルという長さは何によっているのだろうか。フランス革命時、普遍性を追求する革命政府が1799年6月22日に、地球の赤道と極の間を結ぶ子午線の長さに対して1千万分の1のメートル原器が作成され、世界に普遍的なメートルという長さが決定された。

 では、いかにして赤道と極の距離は測られたのだろうか。それは本書を読んでのお楽しみ。国際駆け引きあり、密約あり、スリル満点だと保証しよう。

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