• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ボクは300万円を費やして売れ残った~『崖っぷち高齢独身者』
樋口康彦著(評:澁川祐子)

光文社新書、760円(税別)

  • 澁川 祐子

バックナンバー

2008年7月11日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

評者の読了時間2時間30分

崖っぷち高齢独身者──30代・40代の結婚活動入門

崖っぷち高齢独身者──30代・40代の結婚活動入門』樋口康彦著、光文社新書、760円(税別)

〈明日のあなたは今日のあなたより確実に価値が下がっている〉

〈平凡な若い女の子は、中年の美人よりもずっとモテる〉

〈女性の場合、男性から相手にされるのは30代後半が限度であろう〉

 のっけから引用で恐縮だが、これらは本書に書かれている著者の本音のごく一部である。要約すると「女は若いのがいちばん!」といったところ。なんとも、身も蓋もない話である。

 評者(30代半ばの独身女)にとって、これほど苦痛な読書というのも久しぶりだった。本書を読んでいる途中、何度「この本、やっぱりやめます!」と編集者に向かって叫びたい衝動に駆られたことか。

 そんな本を著わした人物は、現在43歳、未婚、地方の私立大学で心理学を教える専任講師。彼女いない歴=年齢という自称「恋愛弱者」が、5年の歳月と約300万円の費用をかけて行ってきた「結婚活動」の詳細と、活動を通じて得た教訓を披露したのが本書である。

 結婚活動の主な内容は、お見合いパーティへの参加と、結婚相談所による紹介の二通り。計114回参加したお見合いパーティではそこそこの確率でカップルになり、相談所を通じて延べ68人もの女性と出会った。だが結局のところ、結婚相手をみつけるまでには至っていない。

 著者が結婚活動を始めた動機は、「一生ひとりで老いていくのはイヤだ」から。そして、いざ始めてみると、まわりには「いつかは結婚したいと言いながらもたいして努力もしていない人」が多いことに気づく。現状は、

〈2005年度における生涯未婚率(50歳で未婚の人の割合)は男性で約15%、女性で約7%である(国立社会保障・人口問題研究所)。そしてこの割合は年々上昇してきており、二十数年後には、男女とも3人もしくは4人に1人くらいが生涯独身で過ごすのではないかという推測もある〉

 くらい、“おひとりさま”が増加中だ。だからといって、本当に一生独身でいいのか。いい年になって焦り始めた著者は、同じ境遇にある未婚の男女に向けて、脅しにも似た問いを突きつけ、「現実をちゃんと見ようよ」と警鐘を鳴らす。

38歳以上の男性と、33歳以上の女性が対象

 ちなみに、著者が定義する「高齢独身者」とは、38歳以上の独身男性、33歳以上の独身女性である。意外に若いと感じる人もいるかもしれないが、この年齢設定は著者が自身の結婚活動を通じて得た実感をもとにはじき出されたものだ。

 「結婚相手として相手にされる」年齢には、リミットがある。だからこそ、〈残されたわずかな時間を有意義に使って、できるだけ早く結婚しなければいけない〉。そのためには、なりふりかまわず結婚活動をせねばならぬ、と著者は主張する。

 確かに、

〈いつ訪れるかもしれないし、訪れないかもしれない自然状況での運命的な出会いを信じて、ずるずると歳を重ねて結局結婚できない人より、結婚活動をしている人は人生に前向きである〉

 という言い分はもっともだと思うし、

〈結婚相手を見つけるための活動は、真剣かつ誠実に、そして傷つくことを覚悟しつつ捨て身でやらなければならない〉

 といった、恋愛や結婚に対する心構えについても異論はない。傷つくのを怖がって異性とまともに向き合おうとせず「モテない、結婚できない」とぼやいているくらいなら著者のように身だしなみに気を遣い(筋トレは日課、外出時はスーツ着用)、人混みへと繰り出していくほうがよっぽど健康的だろう。

 しかし残念なことに、本書は矛盾だらけなのである。それは書いている本人も承知で、あらかじめ「アドバイスが矛盾して見えることがあるかもしれないが、五里霧中をさまよいながらの活動が映し出されている」結果なのでご理解を、と断っている。とはいえ、それを勘案しても目に余る。

コメント7

「NBO新書レビュー」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「絶対これしかありません」というプランが出てきたら、通しません。

鈴木 純 帝人社長