「超ビジネス書レビュー」

夢をかなえるゾウも頷く『LOVE理論』
〜恋愛もビジネスも才能はいらない

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2008年7月16日(水)

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LOVE理論

LOVE理論』水野愛也著、大和書房、1400円(税抜き)

 笑い満載の自己啓発小説『夢をかなえるゾウ』で大ブレイクしている水野敬也。実は彼には、もう一つの顔がある。「どうせオレなんかモテない」と悩む男女(特に男)をスパルタ式に鍛え直す恋愛体育教師・水野愛也だ!

 愛也先生にはコンプレックスがあった。「腫れぼったい一重まぶた」を中心とするむくんだ顔だ。先生の写真を見るとそうでもないのだが、本人は気にしていたらしい。ずっと人前に出るのが嫌いで、ゲームセンターに通いつめ、中学高校時代の6年間でまともに話した異性は母親のみだったという。

 しかし、大学入学を機会に愛也先生は誓った。労せずモテまくるイケメンたちに負け続ける人生と決別する、と。

〈持って生まれた才能で大幅に出遅れたからといって、この現実世界において俺が、トム・クルーズに遅れをとって良いということにはならない〉

 恋愛において超人気俳優のトム・クルーズに勝つ。あまりに無謀な目標である。だが、愛也先生は本気だった。ホストクラブで裸芸を極め、200冊以上の恋愛マニュアル本を読破した。その苦闘の結実である本書を読み進めると、「こんな僕でもモテるかも! トムがいない男女グループなら」ぐらいには思えてくる。

 本書で言う「LOVE」とは純愛ではなく、ずばりセックスを指す。理想の女性とセックスをするために、犯罪以外のあらゆる手を使うというのが愛也先生の教育方針だ。なぜなら、「女は好きな男とセックスするのではない。セックスした男を好きになる」から。極端な先生だな……。

先生は邪道をアクセル全開で走る

 愛也先生の恋愛教育は、モテるための「根本原理」を習得することから始まる。そのうちの一つ「執着の分散理論」とは、同時に何人もの女性にアプローチして気持ちに余裕を作ることだ。

 一人の女性に惚れ込むとウザがられる可能性が高まる。5人以上の女を同時に口説くとほとんどテンパらなくなる、と愛也先生。決して正道ではないが説得力がある。

 「BTO理論」はさらに邪道だ。モテない男たちには、女性経験がなくて恋愛に臆病になってしまう共通点があるという。「女性に対する幻想を捨てる」ために、「どんな女とでもいいからとにかくセックスをする」ことが必要だ。

 愛也先生は、自らの初体験の女性・小野さん(仮名)にあやかり、この理論を「ブサイク・ティーチャー・オノ理論(略してBTO理論)」と命名した。

 いくらなんでも酷すぎると反発する人も当然いるだろう。踏み台にされた女性が事実を知れば深く傷つくはずだ。また、「近くにいる気心が知れた異性を自然に好きになりたい」タイプの人には不要なアドバイスかもしれない。

 そんな人は、本書をビジネス本として読んでみてはいかがだろうか。心理ゲームとしてのビジネス現場にも役立つ理論が多いことに気づくだろう。たとえば、「執着の分散理論」はビジネスでいうリスク分散にほかならないし、BTO理論は小さな成功体験の重要性を説くものだ。

 根本理論を踏まえた実践編は、「仕込み」「出会い」「デート」「セックス」「交際中」の5段階に分けて記述される。

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著者プロフィール

大宮 冬洋(おおみや・とうよう)

フリーライター。1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職するがわずか1年で退職。編集プロダクションを経て、2002年よりフリー。「日経ビジネスアソシエ」「プレジデント」「きょうの料理ビギナーズ」「dancyu」などで執筆。著書に『30代未婚男』『ダブルキャリア』(ともに共著/日本放送出版協会)がある。「自炊」に懲り、食生活ブログをほぼ毎日更新中。



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