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ユーザー作成コンテンツがひっくり返す、商売の常識

~初音ミクが巻き起こした革命とは?~

2008年8月8日(金)

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「VOCALOID2 CV01 初音ミク」

「VOCALOID 02 初音ミク」
(クリプトン・フューチャー・メディア/Windows XP,Windows Vista対応)。他にも「鏡音リン・レン」、「MEIKO」、「KAITO」などのボーカルシリーズが販売されている。
COPYRIGHT 2008 Crypton Future Media, Inc. ALL RIGHTS RESERVED

 「VOCALOID2 CV01 初音ミク」というパソコンソフトは、もうごぞんじのことと思います。あの、緑色の髪をした女の子のキャラクターを思い浮かべる方も多いでしょう。たしかに、キャラクターそのものにも、絶大な人気があります。

 ごぞんじない方にご説明しておくと、これは音楽制作用のソフトです。ただ、ふつうのソフトとはまったく違っている。音符を入力すると、そのメロディーを「人間の声で歌ってくれる」んですね。厳密には「声優が吹き込んである音声データが合成され、ユーザーの思いのままに歌わせることができる」と考えてください。初音ミクというキャラクターは、このソフトの中にいる「バーチャルな歌手」のことです。

 これが凄いのは、昔のSF映画のような「いかにも機械的な声」で歌うのではないこと。ヤマハが開発したVOCALOIDエンジンという技術が利用され、かなり自然な歌声が作れる。細かくパラメータを調整すれば、それが合成音なのか、本当の人間が歌っているのか、すぐには区別がつかないレベルにまで高められます。もしお疑いならば、ネット上を探してみてください。さまざまな曲を、すぐに発見できると思います。

 このソフトの登場は、とてつもない革命を引き起こしました。

 なにしろ、自宅のごく普通のパソコンさえあれば、プロのボーカルが歌っているかのような曲を作れてしまう。これがユーザーの心をガッチリとつかみ、一種のムーブメントを引き起こすこととなったのです。

ネットに公開された数万の楽曲たち

 その影響力は、ネットを見てみれば一目瞭然です。

 ソフトの発売は2007年8月。まだ1年しかたっていないというのに、たとえばニコニコ動画には、すでに数万本の楽曲(の動画)がアップされています(すべてを数えることはできないので、もしかしたら十万曲を超えているかもしれません)。少なくとも、1日に100~200本のペースで、アマチュアたちの手による楽曲が公開されている計算です。

 ここまで大量の曲が公開されると、中にはユーザーの支持を集めるものも出てきます。それらは、いまではネットの世界を飛び出して、たとえばカラオケ曲として配信されるようになっているものもあります。CD化され、「初音ミクが歌っている曲」として販売されるものも登場しているほどです。

 つまり、ネット空間という広大な「ストリート」で、みんなが一斉にストリート・ミュージシャンを始めたようなもの。誰もが自由に曲を発表していたら、その中にはとびきりの才能の持ち主がいた。それが一気に人気を集め、プロとしてデビューするようになった――と考えると、このムーブメントは理解しやすいかもしれません。

 こうして、アマチュアが、自宅のパソコンを使って作ったボーカル曲が、いまではCDショップに売っている時代になったのです。こんなことをやってのけた「音楽ソフト」は、空前絶後でしょう。

キャラクタービジネスの常識が変わる

 さて、デジタルエンタテインメント・ビジネスの視点から、このムーブメントを見てみると、きわめて面白い現象が起きていることがわかります。

 従来のキャラクタービジネスの常識が、根本からひっくり返っているのです。

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「ユーザー作成コンテンツがひっくり返す、商売の常識」の著者

野安 ゆきお

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

ゲームジャーナリスト

ファミコン時代からゲーム業界に参加。1000本以上のソフトを体験し、100冊を超えるゲーム攻略本制作に参加している。ゲーム雑誌編集部、編集プロダクションを経て、現在はフリーランスとして活動中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官