北京オリンピックも、そろそろクライマックスですね。
ゲームビジネスに興味のある方は、オリンピックそのものだけではなく、ぜひオリンピックの公認ゲームにも注目しましょう。4年置きに登場する作品を見れば、そこから昨今のゲームビジネスの潮流を読み解くことができるからです。
たとえば1983年。オリンピックの名を冠した記念すべきソフトが登場します。それがコナミ(※)のアーケードゲーム(ゲームセンターのゲームのこと)の「ハイパーオリンピック」。マニア向けの難しいゲームが多かった中、誰もが知っているスポーツイベントを題材にしたゲーム(しかもボタンを連打するだけで楽しめるという初心者もOKな内容)が登場したのは、大きな驚きでありました。
1983年といえば、ファミコンが登場した年でもあります。ゲームビジネスが「ゲームセンターに通うマニアのためのものではなく、一般大衆が楽しむもの」へと変化していく、そんな時代の真っ只中。オリンピックの名をつけた、初心者でも楽しめるゲームの登場は、その時代の空気を、鮮やかに切り取っていたことがわかります。
ちなみに、1984年のロサンゼルスオリンピックは、公式スポンサーを集めることで商業イベントとして大きな成功をおさめたオリンピックとして有名です。以降、オリンピックが大々的な成功をおさめていくのに歩調を合わせるように、テレビゲームビジネスも拡大しました。そして4年置きに、そのときのナンバーワンゲーム機で、オリンピックの公認ゲームソフトが作られるという歴史がスタートします。
2機種で1000万本を達成
とはいえ、4年置きに(冬季五輪を題材にしたソフトもあるので、厳密には4年間隔ではありませんが)登場するオリンピックの公認ゲームソフトは、格別のヒットを記録しているわけではありません。ゲーム市場が安定している時代に呼応するように、安定した売上げを記録していたわけですね。
しかし2008年。その流れが、大きく変わります。歴史を塗り替えるようなスマッシュヒットが登場しました。

半年以上前に発売された「マリオ&ソニック AT 北京オリンピック」。おなじみのキャラたちが各種競技に挑戦。最大4人まで楽しめるシンプルなゲーム(写真はWii版)
TM IOC.Copyright (c) 2007 International Olympic Committee("IOC").All right reserved.SUPER MARIO characters(c)NINTENDO. SONIC THE HEDGEHOG characters (c)SEGA
それが「マリオ&ソニック AT 北京オリンピック」です。
北京オリンピックの公認ゲームの権利を獲得したセガが、任天堂とタッグを組んだ。そして双方の看板キャラであるマリオとソニック・ザ・ヘッジホッグを共演させました。WiiとニンテンドーDSの両マシンで、これまで以上に華々しい「お祭りソフト」に仕上げてきたのです。
すると、これに全世界が反応しました。
2つのハードで発売されたソフトの合計販売数は、全世界で1000万本を突破。「スポーツイベントを題材にしたゲーム」の歴史の中でも、まさしく世界新記録での金メダル級のスマッシュヒットを記録したのです。
常識ハズレの戦略が大成功を呼んだ
このスマッシュヒットの裏には、2つの「常識ハズレ」のアイデアが盛り込まれています。
(※ 現在の社名はコナミデジタルエンタテインメント)
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