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その元気、その病気、じつは天気が決めていた! 気候と体の深い関係

「生気象学」という身近なストレス科学--福岡義隆氏(前編)

2008年8月28日(木)

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 予想に違わない猛暑に熱帯地方のスコールを思わせる突然の大雨と、異常気象も当然の光景になってしまった観のある今年の夏だ。

 突然降り出す雨に向けて10分単位の予報や地図から絞り込んだ気象情報など、新しい情報技術を活かした天気予報を目にするようになった。多くの場合、天気予報を外出にあたって傘を持つかどうかや服を選ぶ参照程度に考えていないだろうか。

 しかし、天気は身近でありながら意外なほど奥が深い。その最たる例の1つが、天気と病気との関係だ。天気の変化は、実は身体の機能に大きな影響を与えている。今回お話をうかがった福岡義隆さんは、気象と人との関係を研究する「生気象学」を研究している。気象の変化というストレスがいったい人体にどういう影響を及ぼしているのだろうか。

--現代では、病気を個人の肉体の中で起きた出来事として考えるのが一般的で、気温や湿度の変化と結びつける視点はあまりないようです。先生が研究されている生気象学のユニークなところは、季節や天候の変化から心身の変化を予測しようとすることにあると思います。

福岡:人間ひとりに空気の重さがどれくらいかかっているか知ってますか? 16トンですよ。それだけの圧力が常にかかっているわけですから、人間は空気の深海に住んでいるのと同じです。気圧が1ヘクトパスカル上下するだけで、人体はプレッシャーの変動をすごく受けるわけです。

福岡義隆(ふくおか・よしたか) 1939年生まれ。立正大学地球環境科学部教授、日本生気象学会幹事などを務める。1997年「環境庁長官賞」(地球環境保全功労賞・地球温暖化部門)受賞。主な著書に『人間的尺度の地球環境』『医学気象予報』など。

福岡義隆(ふくおか・よしたか) 1939年生まれ。立正大学地球環境科学部教授、日本生気象学会幹事などを務める。1997年「環境庁長官賞」(地球環境保全功労賞・地球温暖化部門)受賞。主な著書に『人間的尺度の地球環境』『医学気象予報』など。

 圧力の変化は基本的に温度の変化によってもたらされます。気温が高くなると空気が軽くなって低気圧になり、低温になれば空気は重く、高気圧になります。気圧の変化が体を圧迫するわけです。

 健康な人や若者ならびくともしなくても、幼児や高齢者、病弱な人にはかなりのダメージを与えます。2000年、小渕元総理大臣が脳梗塞で亡くなりましたね。普通なら亡くなるほど重篤な状況ではなかったと聞いています。じつは、小渕さんが倒れる前日から当日にかけ、5度から10度の気温の上下がありました。それがかなりのストレスになったのではないかと私はにらんでいます。

--天候が体に与えるプレッシャーは目に見えないだけで、相当なものがあるわけですね。気温が上昇すると血中濃度が高まり、脳血栓になりやすいという話を聞いたことがあります。生気象学ではそうした症状と気象の因果関係について研究がされているわけですか?

福岡:生気象学に関わっている医師は基礎医学がほとんどのため、臨床例は少ないので、いまのところ本当に病気の原因になっているかどうかはわかりません。今後の研究が待たれるところです。私は熱中症と天候の関係を研究していますが、開業医だと要求に応じてデータをくれても、最先端の大学の研究者になると難しい。

 だから救急搬送を行った消防署から年齢や性別、倒れた人の前日の状況といったデータをもらい、それに基づいて天候や気圧はどうだったかを見ていきます。また熱中症は脱水症で死ぬ場合もあるので、前日の水分の摂取量などを調べ、総合的に判断して、気象が関わっているか否かを結論づけます。

 必ずしも医学的に証明されたわけではありませんが、病と気象との相関関係は統計的に明らかになっていることもあります。

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