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コーチの領域、アスリートの領域

~ 水泳コーチ・平井伯昌 ~

  • 茂木 健一郎

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2008年9月2日(火)

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 今回お話を伺ったのは、水泳コーチの平井伯昌さん。北京オリンピックで金メダルを取った水泳の北島康介さん、銅メダルの中村礼子さんを長年指導している。「アスリートに限界を超えさせるためにはどうすればよいか」という問いに対して、どういう答が返ってくるか興味があった。

 限界は自分自身や周囲が作っているもので、客観的に見るとまだまだ超えていく可能性があるのだということを、きちんと説明してアスリートに伝えると、平井さんはおっしゃっていた。これは科学者が言っていることと同じだと思った。

 アスリートは既にぎりぎりのところまで日々練習をしているから、その上で単なる精神論を言っても意味がなく、むしろ客観的な言葉の方が届くのだと思った。

 限界を超えることをやる人には意外と共通点がある。それは精神論ではなく、緻密なロジックがそこにあるということだ。以前、ゲストに来ていただいた心臓カテーテル治療の第一人者・延吉正清さんも、医療的に新しいことをやるときには、検証に検証を重ねて、絶対に大丈夫だと確信が持てるところまで問題を追い込んでから着手するとおっしゃっていた。

 平井さんは、アスリートとの信頼関係を醸成するためには、お互いの“仕事の領分”をきちんと分けることが大事だという。アスリートもプロなのだから、その領域は信頼して任せる。そのほかの領域で、コーチとしてやるべきことがたくさんある。逆にダメなコーチはアスリートの領域に口を出す。教育者でもダメな人は生徒の箸の上げ下ろしまで、いちいち口を挟んでしまう。これは人をどう育てるか、を考える上で、大切な要素だと思う。

 同じように、マネジメントにはマネジメントとしてやることがある。僕の組織の中の一員としてのつたない経験からもそう思う。良いマネジメントは、現場がよく戦えるように、現場から見えない上の方で戦っている。現場に来てあれこれと口を出すのはダメなマネジメントだ。

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攻めの泳ぎが、世界を制した
NHKの番組サイトへ
NHK総合テレビ
9月2日(火)午後10:00~11:15
 男が信じたのは、目の力だった。12年前、水泳コーチ・平井伯昌(のりまさ)は、中学2年生の少年の目を見て、この子とオリンピックを目指そうと決めた。持ちタイムが特に抜きんでていたわけでも、身体能力がずば抜けていたわけでもない。しかし少年は、その後、アテネ五輪、そして今年の北京五輪で、連続2冠という偉業を成し遂げる。日本水泳界の至宝・北島康介である。今年、平井は自らが手塩にかけて育てた3人の選手とともに北京五輪に臨んだ。そして北島の金メダル2つに加え、背泳ぎの中村礼子を銅メダルへと導き、コーチとして圧倒的な存在感を示した。

 撮影が始まったのは6月始め、栄光のメダルへとたどり着くまでの平井と選手たちの勝負の2ヶ月間に、カメラは密着した。次々と起こる不測の事態、五輪の本番ギリギリまで続いた泳ぎの改良、そしてレース直前、平井が、選手に授けたある秘策とは・・・。

 コーチの一つの判断が、ときに選手の、その後の人生さえ左右する。その重責を常に背中に背負いながら、選手をひっぱり続けたコーチ平井の熱い夏を追う。


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