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京菓子にみた低エネルギー消費社会へのヒント

~京菓子司・山口富藏~

  • 茂木 健一郎

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2008年9月9日(火)

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 今回お話をうかがったのは、京都の老舗和菓子店の山口富蔵さん。京菓子の伝統を守りながら、その一方で、新しい趣向を盛り込んだ菓子作りにも挑戦されている。

 山口さんが作る末富のお菓子をいただきながら「なるほど」と思ったのは、京菓子には、それが成立した当時貴重だった砂糖とそこから得られる「甘み」というものを手にする喜びが背後にあることだった。

 お茶会の、お菓子が出てお茶が出て、という流れは結局甘みという貴重なものを慈しむ文化なのだと、あらためて感じた。最近でこそ「甘さ控えめ」などと言われているが、お菓子の原点は甘みを味わうというところにある。

 単に「甘いもの」を食べるということを、あそこまで洗練させていったのは凄いことだ。お茶は、道具だてにしても、どこにでもある竹を切って利用するし、野の花をさりげなく活けたりする。そうした京都の文化の洗練というものは、ある意味で米国の文明に象徴される高消費文化の対極にある。

 そこに、これからの我々の社会全体にたいして大きなヒントがある。

 経済のソフト化が進み、単にモノを作っているだけではすまなくなってきている。地球環境の問題などにも配慮しながら大量生産・大量消費ではないかたちで経済活動をしていかなければならない状況のなかでは、広い意味での「遊び」をもっと真剣に考えたほうがよいと思う。

 甘みを単に「甘いもの」としてしか捉えない「スイーツ」という言葉は嫌いだと、山口さんはおっしゃっていた。

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極上は“遊び”から生まれる
NHKの番組サイトへ
NHK総合テレビ
9月9日(火)午後10:00~10:45
再放送
 総合 毎翌週火曜 午前1:00~1:44
     (月曜深夜)
 BS2 毎翌週水曜 午後5:15~5:59
 茶道の家元たちや京都の神社仏閣から絶大な信頼を集める京菓子の匠がいる。特に、茶会の華とも言える菓子を作らせたら、当代随一と言われる。1893年創業の老舗京菓子店で菓子を生み出し続ける山口富藏(とみぞう)(71)。江戸時代から御所に献上されていた京菓子。山口は、その伝統を守り続ける一方で、茶会の趣向を表現したオリジナルの菓子を作り出す。時にクラシック音楽や西洋の絵をモチーフにした創作菓子を作るなど、古くて新しい京菓子をリードする。

 京菓子は、いわゆる「おやつ」としての和菓子とは違う。宮中文化や宗教、そして茶の湯などの歴史・文化が内包したもので、単に「おいしい」「きれい」というだけではない、知的な遊び心で楽しむ菓子だ。季節の繊細なうつろいや人々の営みなどが、掌にのるほどの小ささの中に、一つの世界として表される。中でも山口の菓子は、見る者に想像の楽しさをもたらす。説明的な主張をしない、何かぼかしたような「侘び」の趣があるといい、そこが、目の肥えた京都人たちをうならせる。

 祇園祭で賑わう、夏の京都。源氏物語一千年という節目にあわせ、源氏物語の「夕顔」を趣向とした茶菓子を作るという難題が山口につきつけられた。京菓子の匠、山口の仕事の真髄に迫る。


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