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第3回 「壊れかけのRadio」から「Wonderful & Beautiful」へ

2008年9月26日(金)

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いつしか音楽を聴かなくなってしまったビジネスパーソンに贈る本コラム。カバー曲を集めたコンピレーションアルバム「コトノハ)」を手がけた、元野村証券トップアナリストの佐藤明さんに、最新のお薦め曲を紹介していただきます
(詳細は「元野村のトップアナリストが掘り出したお宝銘柄…ならぬ「名曲」)。

戸田: 政局が大きく動いており、「衆議院は解散して選挙へ」という報道が連日のように飛び交っています。選挙となると、近年、多くの立候補者が課題として掲げるのが「東京と地方の格差拡大」です。

佐藤: 私も東京と地方の格差は、日本社会の大きなテーマだと感じています。財政、経済、文化…。あらゆる面で、東京中心になっていることは否めません。自分が聴いてきた音楽を振り返っても、東京ありき、と思うことがあります。

都会から地方を見ていた「壊れかけのRadio」

徳永英明 「SINGLES BEST」

徳永英明 「SINGLES BEST
J-POPスタンダードである「壊れかけのRadio」を収録したベストアルバム

 例えば、私が社会人になって間もない20代半ばの頃、世の中はバブル景気のピークでした。ずっと仕事に追われていたような気がします。ヘトヘトに疲れていながら、カラオケに行く。すると、いつも誰かが歌っていたのが、1990年に徳永英明が発表した「壊れかけのRadio」です。

 なぜこの曲が印象に残っているか。それは歌詞が、当時の私の心にひっかかったからです。「本当の幸せ教えてよ 壊れかけのRadio」。あの頃は、がむしゃらに目の前の仕事をこなすばかりで「本当の幸せ」を考える余裕なんてありませんでした。

 この2番の歌詞は「遠ざかる故郷の空 帰れない人波に 本当の幸せ教えてよ 壊れかけのRadio」です。改めて考えると、土地から地方を見た視点です。このほかにも、沢田研二の「TOKIO」しかり、クリスタルキングの「大都会」しかり。戦後から1990年代にかけては、東京を中心に据える価値観が当たり前だったと思うのです。

―― その価値観が、今の音楽では変わってきているのですか。

レミオロメン「風のクロマ」

レミオロメン 「風のクロマ
「Wonderful & Beautiful」を収録した最新アルバム。10月29日発売予定

佐藤: 最近、聴いた若手アーティストの楽曲で、忘れられない歌詞があります。「都会は溢れて田舎は足りない それとも逆か 似たようなものか」。「都会は溢れて田舎は足りない」は普通ですが、「それとも逆か 似たようなものか」と続くのが新鮮に感じられたのです。これは、レミオロメンの「Wonderful & Beautiful」という楽曲です。

 歌詞の意味を考えていると、とても説得力があります。確かに都会には、人や自動車、おカネ、ファッショナブルなお店などが溢れています。田舎にはありません。でも田舎には、緑やおいしい水、野菜、ゆったりとした時間の流れがあります。それは、都会にはない。

そして、いまは地方も溢れている

 最近は、地方を見直す機運も高まっています。例えば、山形県出身のデザイナーである奥山清行氏。最高級スポーツカーであるフェラーリのデザインを担当するイタリアの会社でデザイン・ディレクターを務めた奥山氏は、今、山形のモノ作りを再認識して鉄瓶などのデザインに携わっています。ちょっと前になりますが、米アップルがiPodの鏡面磨きの技術を求めて、新潟県の燕三条に行き着いたことも有名です。

 実は私も、年2回、中期的な事業の方向性を考えるオフサイトミーティングでは、東京を離れます。いつもと違う空間、いつもと違う時間の流れでモノを考えるためです。少し前には、瀬戸内海の直島に行きました。潮風にゆったりした気持ちになりました。同時に、欧米からの訪問客が多いことに気がつきました。デザインやアートを軸とした島作りがあるからでしょう。

 レミオロメンは3人組で、全員が自然豊かな山梨県出身の若者です。だからこそ、都会と田舎の違いについて、昔の価値観とは異なる何かを感じるところがあったのでしょう。価値観を変えれば、どちらも溢れていて、どちらも足りない。当たり前のことに、これから時代が気づいていく予感がします。

―― もっとも地方にもチェーン店が進出して、東京と変わらない光景も見受けられるようになっています。

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