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小さな「差し入れ」が部下を動かす

“改革社長”と“赤福課長”を分けた法則

  • 鈴木義幸

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2008年9月29日(月)

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 「風通しのいい職場作り」、いわゆる企業風土改革を仕事としていますから、初対面の人にも、つい「○○さんの職場は風通しがいいですか?」などと聞いてしまいます。

 多くの方が「そうですね……」と一瞬、間をおいてから、「あまりいいとはいえませんね」と答えられます。完全に「×」ではないけれど、すごく良いわけではない。同じような返答をたくさん耳にしていると、いまの日本企業の状況が少し見て取れるような気になります。

 しかし、まれに「あっ、うちはすごくいいですよ!」と晴れ晴れした顔で「◎」を返してくださる方がいます。そんなときは一体何がうまくいっているのか興味が涌いて、「秘訣はなんですか?」とさらに問いかけます。

 たいていの場合は、上司がよく声をかけているとか、オフィスルームが話しやすいレイアウトになっているとか、そういう答なのですが、たまにこちらの意表をつくような話をいただくことがあります。

 先日、ある会合で出会った管理職の女性は、「カレーパンですね!」と満面の笑みを浮かべて答えてくださいました。

 「カレーパン?」

 「そう。うちの職場は外出する人が多いんですけど、しょっちゅう誰かが何かしら買って帰って来るんですよ。しかもみんなお互いの好みを覚えていて、『○○さんが好物だって言ってたから今日はカレーパンを買ってきた』とか。『○○さんが一度食べたいって言っていたあの店のシュークリームを買ってきた』とか。これ職場の雰囲気作りにけっこう貢献してると思うんですよね」

会社を復活させた社長の心配り

 経営層を対象としたエグゼクティブコーチングのクライアントに、アミューズメント会社の社長がいます。一時、多額の負債を抱えて倒産寸前だった会社を引き継ぎ、見事、復活に導きました。

 会社をもう一度軌道に乗せるために、それこそ社長はありとあらゆる施策を打ち出しました。コストの圧縮、組織改変から、新しいプロダクトの開発まで、短期間で強力なリーダーシップを発揮し、企業改革を実現しました。

 彼は、社員に強く改革を求め、仕事への厳しさを望む一方で、社内のムードを高めることにも心を砕きました。自信を失い、心がすさんでしまった社員には、厳しさだけでなく優しさも必要と考えたからだと思います。

 毎日毎日、社員ひとりひとりに声をかける。パートの社員にいたるまで名前を覚え、ちょっとした成果にも目を向け、「○○さん、よくやった」と賞讃の言葉を投げかける。社長自ら現場に赴き、社員個人の存在を承認し続けたわけです。

 そして、もう1つ。ことあるごとに、社長は職場に“差し入れ”をしました。

 出張に行けばお土産を買い、自らそれを社員に配って歩く。近場の用事でも、「今日は銀座まで行ったから」と、有名どころのお菓子を買ってくる。年末には管理職全員に自分が選んだネクタイをプレゼントしたそうです。パートさんのためにパーティーを開いては、ひとりひとりに小さな鉢植えを手渡したとも。

 社長は言います。

 「会社の業績が悪くなると、社員同志お互いをあまりケアしなくなる。簡単に言うと殺伐としてくるんですね。だから誰かがあなたのことを大切に思っているというのを伝える必要があると思うわけです。『四の五の言わずについて来い!』だけでは部下が疲れてしまう。お菓子ひとつでも小さな想いは伝わると思うんですよ」

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