「ストレスで成長する!〜“元気力”のある“健康職場”を目指して〜」

ストレスは“悪者”ではない

元気になる力があれば、乗り越えられる

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2008年10月14日(火)

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 あなたの職場が危ない! ある調査によると、約半数の企業で「心の病」が増加中だという。今、多くの職場がストレスで汚染されている。誰かが無断欠勤する、部内の雰囲気が悪い、若手社員がどんどん辞めていく…。なぜなのか。今、職場で何が起きているのか。日本人はストレスに弱くなってしまったのか。今回から、メンタルダウン社員を生む「勘違い組織」を徹底分析していこう。

 ストレスのない世界に行きたい。…誰もが、一度はこう願ったことがあるだろう。しかし、「ストレスのない世界」というのは、そんなにいいところなのだろうか? 「それは、当たり前だよ。ストレスが溜まって胃潰瘍になったり、気分が悪くなったり…。そんな辛い状況が好きな人はいないでしょう」

 確かにその通りだ。では、ストレスさえなければ本当に幸せなのか? 「そりゃあ、幸せでしょう。仕事に追いたてられることもないし、わずらわしい人間関係から解放されるし。こんなに幸せなことって、ないんじゃない?」

 ふうむ。だったらなぜ、高額なサラリーを捨ててでも大変な仕事にチャレンジしたり、徹夜してまで仕事に精を出したり、自らストレスフルな状況に飛び込んでいく人がいるのだろうか? 「そ、それは……。自分がなりたいものがあったり、達成感が欲しいからだと思うけど…」

人間は「ストレス」を求めることもある

 そうなのだ。人間は時に自ら、「過酷な状況=ストレス」を求めることがある。辛くても、しんどくても、踏ん張って、変わりたい、もっと強くなりたい…と、新しい自分を目指す。

 「もっと違う自分になりたい」「このままでいいのかなあ」といった、曖昧な不安を感じている人にとって、ストレスは「なりたいものになるための、絶好のチャンス」だ。ストレスの中に飛び込んで、それをうまく乗り越えることさえできれば、ストレスは成長の糧になる。「そ、そんな。ストレスの中に飛び込めだなんて、無茶苦茶だよ。そんなことしたら病気になっちゃう」

 確かに、ただ飛び込むだけでは、ストレスに押しつぶされてしまうだろう。だが、「元気になる力」さえあれば大丈夫。この力があれば、ストレスをうまく乗り越え、ピンチをチャンスに変えられるのである。

 例えば、長時間労働を例に取ってみよう。寝る間を割いて、仕事をしなくてはいけない状況は、大きなストレスだ。長時間労働が過労死や多くのストレス性疾患と関連深いことは、既に実証されている。だが、同じように長時間労働を強いられても、満足感を感じることがある。栄養ドリンク片手に24時間戦いぬき、仕事を終えて飲む一杯のビールがとてつもなくうまい。徹夜続きで身体はボロボロだが、「よし、よくやったぞ! 次もまた頑張ろう!」などと、気分が高揚することもある。なぜ同じ長時間労働でも、押しつぶされずに乗り越えられる場合があるのか。

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著者プロフィール

河合 薫(かわい・かおる)

河合 薫博士(Ph.D.、保健学)・東京大学非常勤講師・気象予報士。千葉県生まれ。1988年、千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。2004年、東京大学大学院医学系研究科修士課程修了、2007年博士課程修了。長岡技術科学大学非常勤講師、東京大学非常勤講師、早稲田大学エクステンションセンター講師などを務める。医療・健康に関する様々な学会に所属。主な著書に『「なりたい自分」に変わる9:1の法則』(東洋経済新報社)、『上司の前で泣く女』『私が絶望しない理由』(ともにプレジデント社)、『<他人力>を使えない上司はいらない!』(PHP新書604)



このコラムについて

ストレスで成長する!〜“元気力”のある“健康職場”を目指して〜

ストレスの多い現代社会。健康社会学者としてメンタルヘルス、産業ストレス、キャリアマネジメントなどを専門テーマとする著者が、職場でのストレスとの正しいつき合い方、ストレスに強くなる方法などについて考える。

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