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“イライラ”を生む“ノロノロ”のしくみ

渋滞学はストレス軽減への近道--西成活裕氏(前編)

2008年10月23日(木)

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 その昔、「高速道路の渋滞で、先頭の車は何をやっているんだ」とぼやく漫才師がいた。ノロノロ運転の高速道路を走っていると、不快感からついそう言いたくもなる方も多いだろう。

 そうした現象は道路に限らない。満員電車や空港のカウンターといった具合に、私たちは日常的に渋滞や混雑といった現象によるストレスを感じている。

 だが、案外どういうしくみで起きているかまでは知らない。渋滞のメカニズムがわかれば、無闇にいら立つことも減るだろうし、また、渋滞を避ける対策も立てられるだろう。少しはストレス解消になるのではないだろうか。

 そこで今回登場いただくのは「渋滞学」を提唱している東京大学工学研究科の西成活裕さんだ。西成さんの研究対象は、車の渋滞からアリの行列まで幅広い。渋滞に巻き込まれると、誰しも焦りやいら立ちを感じるが、西成さんもまた渋滞によるストレスが発端で、解明に乗り出した。

 取材に訪れた日は、折しも研究室は引っ越し準備中。たくさんの荷物で込み合う中での取材となった。

--この研究棟で耐震工事が行われるため、研究室も引っ越しされるということですが、荷物の運搬も廊下で順番待ちのようですね。それにしても渋滞が好きという人もあまりいないと思いますが、西成先生がそこに興味関心を持ったきっかけはなんですか?

西成:私は昔からとにかく人混みが嫌いだったんですよ。イライラするし、雑踏にいると目眩もするようになって、病院で診察してもらったこともあります。

西成活裕・東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻准教授 1967年、東京都生まれ。東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻課程修了、工学博士。山形大学、龍谷大学、ドイツ・ケルン大学などを経て現職。主な著書に『クルマの渋滞アリの行列』(技術評論社)、『可積分系の応用数理』(裳華房)、『渋滞学』(新潮社)など。

西成活裕・東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻准教授 1967年、東京都生まれ。東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻課程修了、工学博士。山形大学、龍谷大学、ドイツ・ケルン大学などを経て現職。主な著書に『クルマの渋滞アリの行列』(技術評論社)、『可積分系の応用数理』(裳華房)、『渋滞学』(新潮社)など。

 用事で渋谷へ出かけるときなどは最悪です。行く前からあのスクランブル交差点を思うだけで憂鬱になったものです。いまになってわかるのは、「人間は正体のわからないものほど想像してしまう」ということ。その想像で不安が募り、余計にストレスを感じてしまう生き物なんですね。

--嫌でしかたなかった混雑や渋滞が研究対象になったとは、なにか心境の変化があったのでしょうか?

西成:私は長年、数学的な領域で研究をしてきましたが、12年前のある日、「セルオートマトン」という複雑系の数理モデルを使って実験していたときに、それは訪れました。

 具体的には、箱をいくつか並べ、「1つの箱の中には最大でも1個のボールしか入らず、空のときのみ前に進める」という決まりのもと、ボールを動かしていきます。先に進ませようとしても、前にボールがあると詰まってしまいます。

 そのとき「あ、これは渋滞じゃないか!」と閃いたんです。ただ感情的に嫌だと思ってきたことと研究が結びついた瞬間です。数学研究の社会応用はそこから始まりました。

 渋滞のしくみがわかると自分の状況を客観視できるので、やたらとイライラすることが減りました。

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