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たとえば部下の長所をすぐに答えられますか?~『なぜあの人は人望を集めるのか』
近藤勝重著(評:朝山実)

幻冬舎新書、740円(税別)

2008年10月22日(水)

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評者の読了時間2時間30分

なぜあの人は人望を集めるのか──その聞き方と話し方

なぜあの人は人望を集めるのか──その聞き方と話し方』 近藤勝重著、幻冬舎新書、740円(税別)

 人の心を掴むのに、相づちの打ち方が重要だというのはよく言われることだが、落語家の笑福亭鶴瓶さんは話芸はもちろん、聞くことにかけても名人だ。

 NHKの「鶴瓶の家族に乾杯」という番組がある。地方に出かけていっては、その土地の人に話しかける。

「えっ、ちょっとちょっと、それ、ものすごいことやんかぁ」

 行き当たりばったりの進行で、鶴瓶やゲストが、町の人を呼びとめ、ときには家までおじゃまして、話し込む。シナリオのない展開が評判になっている。

 番組を観ているとわかるのだが、よくしゃべるイメージの鶴瓶が、ここではしっかりと聞き手にまわっている。相づちの打ち方はもとより、話を聞かせてちょうだいという姿勢が顔にあらわれている。

 聞きっぱなしでなく、話がこみいってきたら「ちょっと待って、それはこういうこと」と整理する。話し手が、話を遮られても機嫌を損ねないのは、興味をもっているのが伝わっているからだ。

 つまり、何者でもない素人の語る話を面白がる気持ちがなければできないことだし、しっかり耳を傾け、ふつうの人の面白さを引き出し、ツッコミもいれ、笑いにしていく。なにより、一段上から見下ろすような構えがまるでない。

「人に望みを持っている人」という考え方

 これが番組だけのパフォーマンスかというと、先日、彼が主演の映画のロケ現場を取材したときも、棚田に囲まれた人口のすくない町でサイン攻めにあい「家族に乾杯」そのままの会話をしていた。なるほど、出会った人がとりこになるのがよくわかる。そんなわけで、「人望」といえば、まず浮かぶのが、への字に目尻の下がった彼の顔だ。

 ところで、その人望とは何か?

 人から尊敬や信頼を寄せられることをいうのが一般的な答えとしながら、著者はこんな見方もあると、知人の臨床心理士の言葉を引用している。

「人に望まれている人なのか、それとも人に望みを持っている人なのか。その両方かもしれませんね」

 人から望まれる人でありたいと欲する受身の発想ではない、我欲をこえた、人との関わり方を提示しているのが新鮮だ。

 他人の欠点は目につきやすい。本人に指摘するにはためらいがあるにしても、陰口ならいくらでもしているものだ。しかしこれが長所をあげるとなると、考えこんだりする。

 嫌なところはそれこそイヤでも目に飛び込んでくるものだが、良いところというのはその人をちゃんと見ていないと、記憶には残らないものだ。裏返せば、「人望のある人」は、観察眼の鋭い人といえるかもしれない。

 本書は、人望づくりのハウツー本を思わすタイトルだが、読んですぐに得になるというものでもない。著者は「サンデー毎日」や毎日新聞夕刊の編集長を歴任、人に話を聞くことを仕事としてきた。その経験を活かし、人を動かす人の魅力について、考えたことを整理したものだ。語り口もやわらかい。

 たとえば、田中角栄氏に仕えていた早坂茂三氏から聞いた、元首相にまつまわるエピソードを記している。

〈新潟の山奥から信玄袋をぶら下げてきた婆さんの手を引いて玄関の靴や下駄の洪水から彼女の下駄を探しだし、履かせてやって見送るのだそうです。早坂氏が「そこまでする必要があるんですか」と言うと、こう叱られたそうです〉

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