「ストレスで成長する!〜“元気力”のある“健康職場”を目指して〜」

もうこれ以上頑張れない、と思ったら

自分だけでなく、他人の力を借りてみよう

バックナンバー

2008年10月28日(火)

1/3ページ

印刷ページ

 前回、元気になる力があれば、困難(=ストレス)は乗り越えられる、という話をした。ここで言う元気になる力を持っている人とは、ストレスに強い人(ストレスに対処する能力の高い人)だ。

 このことをもう少し理解するために、人生で遭遇する困難(ストレス)を、雨だと考えてみてほしい。

 「雨が降らないで、晴れが続けばいいなぁ」と誰もが願う。でも、雨が降らなければ草木は枯れるし、渇水が起こる。人生の雨も、それと同じだ。

 雨(=ストレス)がずっと降らないと、あまりに退屈で「何か起こらないかな」と、期待するようになる。かといって、雨が降ってきた時に傘を持っていなければ、ずぶ濡れになって風邪をひく。最悪の場合には、取り返しのつかない大病を患うこともあるのだ。

様々な傘を持てばストレスに対抗できる

 ストレスに強い人は、この雨の種類を予測して、それに合った傘を巧みに使い分ける。にわか雨には折りたたみ傘、パラパラ雨にはビニール傘、豪雨の時には骨組みの太い傘、暴風雨で傘が役立たない時はレインコート、そんな具合にいくつもの傘を取捨選択して、人生の雨の中を歩き抜く。

 この傘の役目を担うのが、元気になる力だ。

 おそらく多くの人は、「ストレスに強い人」と聞いて、

・意志の強い人
・鈍感な人
・楽観的な人
・ポジティブに物事を考える人
・我を通す人
・自信のある人
・行動力のある人
・目標のある人

 などを思い浮かべることだろう。これらはすべてが元気になる力(=傘)で、雨しのぎに大いに役立つ。

 だが、実はいちばん大きくて頑丈な傘は、信頼できる他人の力を借りること。自分の傘が折れてしまった時には、他人の傘が役に立つ。実証研究でも、ストレスに対処する能力の高い人の多くが、信頼できる傘を持っていることが明らかになっている。他人の傘を見つけることさえできれば、自分の傘を持てない人もストレスの雨に濡れずにすむ。元気になる力は、自分だけで準備するのではなく、他人からも借りられるものなのだ。

 さて、ここで突然だが、あなたは、次のように質問されたら何と答えるだろうか。
「あなたは、運がいいですか?」

ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。


関連記事

Keyword(クリックするとそのキーワードで記事検索をします)

Feedback

  • コメントする
  • 皆様の評価を見る
この記事を…
内容は…
コメント4 件(コメントを読む)
トラックバック
著者プロフィール

河合 薫(かわい・かおる)

河合 薫博士(Ph.D.、保健学)・東京大学非常勤講師・気象予報士。千葉県生まれ。1988年、千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。2004年、東京大学大学院医学系研究科修士課程修了、2007年博士課程修了。長岡技術科学大学非常勤講師、東京大学非常勤講師、早稲田大学エクステンションセンター講師などを務める。医療・健康に関する様々な学会に所属。主な著書に『「なりたい自分」に変わる9:1の法則』(東洋経済新報社)、『上司の前で泣く女』『私が絶望しない理由』(ともにプレジデント社)、『<他人力>を使えない上司はいらない!』(PHP新書604)



このコラムについて

ストレスで成長する!〜“元気力”のある“健康職場”を目指して〜

ストレスの多い現代社会。健康社会学者としてメンタルヘルス、産業ストレス、キャリアマネジメントなどを専門テーマとする著者が、職場でのストレスとの正しいつき合い方、ストレスに強くなる方法などについて考える。

⇒ 記事一覧

記事を探す

読みましたか〜読者注目の記事

  • いま、歩き出す未来への道 復興ニッポン

日経ビジネスからのご案内