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【マンションが危ない】背伸び購入が招く自己破産

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2008年10月29日(水)

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この40年、マンションは急速に普及した。そして2008年、マンション業者の倒産が相次ぐ。ある時は株式顔負けの金融商品、ある時は景気対策の道具、ある時はファンドの投資対象…。マンションの歴史は、住宅としての進化だけでなく、経済の映し鏡だった面も大きい。いきおい歪みが生じる。これまで日経ビジネスが警鐘を鳴らしてきた記事で振り返る「マンションが危ない」。

第3回

住宅を景気対策の柱に、そんな時代に最初の5年間の返済額を抑える住宅ローンが生まれた。 ところが、年収が右肩上がりの時代は終わり、ローンが払えないケースが続出。 資産価値が大きく変動するマンション、所有するなら家計のバランスシートが問われる点は今も同じだ。

* * *

大量供給の先に破綻が見える

1997年2月4日号より

分譲マンションの購入者に自己破産が多発している。
右肩上がりの収入増を前提としたローン返済が行き詰まる。
低成長に耐えられる家計のバランスシートづくりを。

(村上 広樹、田中 太郎、田原 真司)

 1部上場の電機メーカーに勤めるAさん(49歳)。現在、7000万円近くの負債を抱えて、自己破産を申請している。とはいえ、ギャンブルや遊興にふけってつくった借金ではない。つまずきの発端は、マンションの購入だ。

 1DKの賃貸住宅に住んでいたAさんは、2人目の子供が生まれて家が手狭になったため、37歳の時、埼玉県に分譲マンションを購入した。頭金は50万円しかなかったが、95%をローンで賄い、3LDKで2500万円のマンションが買えた。返済は月々10万円、ボーナス時30万円だった。

 当時のAさんはソフト会社に勤めていて年収は650万円ほど。生活にそれほど余裕はなかったが、10年間は滞りなく返済を続けた。最初のつまずきは、2年前に会社が倒産し、収入が途絶えたことだった。

 不況で各社とも採用を手控えていたこともあって、再就職先探しは容易ではなかった。半年くらいたってようやく現在の職を得、給料もわずかばかり上がった。そんな折、3人目の子供が生まれ、再就職できた安心感から、住み替えを考えるようになり、都内に希望する物件を見つけた。価格は5000万円。Aさんの収入からいって無謀とも思われたが、埼玉のマンションが高く売却できれば大丈夫と考えた。

 実際、ピーク時には5000万円近くの値をつけていたこともあって、融資を申し出る金融機関も現れた。ある住宅金融専門会社が、マンション売却までのつなぎ融資と合わせて7500万円を貸してくれたのだ。

 ところが、元のマンションはなかなか売れなかった。中古相場の下落とともにどんどん値を下げ、希望する売却価格では買い手がつかない。1年半かかって、やっと買った時と同じ2500万円で売却できた。結局、つなぎ融資の利息に加えて、5000万円の借入金がそっくり残ってしまった。

 Aさんの手取り月収は、不況による賃上げの抑制もあって30万円ほど。それに対して月々の住宅ローン返済が20万円。ボーナス時は毎回50万円に車のローンが加わる。これで親子5人の生活が維持できるはずがなかった。

 毎月の返済に窮してサラ金に手を出し、さらに、車の転売を繰り返して当座の現金をつくったりした。しかし、借金は雪ダルマ式に膨らみ、Aさん自身、総額がいくらになるか把握できなくなっていた。

 そんな状況に追い込まれるまで、Aさんは誰にも相談できずにいた。

 「職場はリストラでとげとげしい雰囲気になっていて、スキあらば相手の足を引っ張ろうという連中ばかり。上司に相談したらこれ幸いとクビにされるのがわかっていて話せるわけがないでしょう」

 結局、Aさんが救われる道は自己破産しかなかった。

予備群は70人に1人

 昨年1年間だけで個人の自己破産件数は5万件を超え、過去最高となった。弁護士の山田秀雄氏によると「潜在的な自己破産予備群は100万人程度いるとみられ、これは労働人口の70人に1人に相当する」という。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官