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日本人の心って不思議だな。謎に満ちているな

『情緒と日本人』岡潔著 PHP研究所 1000円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2008年10月31日(金)

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『情緒と日本人』岡潔著 

『情緒と日本人』岡潔著 

 岡潔は世界的に著名な数学者だ。

 多変数複素函数論での「三大問題」をたった1人で解決してしまった。本書は数学書ではない。本書は言ってみれば、箴言集であろう。岡は数学的才能とほぼ匹敵して、エッセイストとしての才能を持ち合わせていた。

 『春宵十話』、『風蘭』、『紫の火花』など数多いエッセイ集を世に問い、多くの好評な世評も得ている。それらのエッセイには通底したテーマがあり、それは、憂国の情、といったものだ。

 その意味で、広範なテーマのエッセイをものにした寺田寅彦とは、一線を画すが、日本人の情緒に関しては深い洞察を持ち、それを折に触れてエッセイ化してきた。 巨大な『岡潔』全集を開くことなく、本書は手軽に岡の神髄に触れることが出来る。

 たとえば、日本人の情緒についての一節を引いてみよう。

 「日本民族の歴史はいたずらに古いのではない。これはいわば大脳皮質の山が非常に高いのである。高々たる高山に発する清冽きわまりない情緒の水は、いったん情緒の中心に集められ、文明となる脳前頭葉に送られ(ここには古皮質からの水分も当然混じっている)日本人の偏った「自我抑制」と相俟って、これまた不思議な日本文明を作るのである。長谷川如是閑氏が「両極性と多様性」といって不思議がった特異な文明となるのである」

 どうです、言い得て妙でしょう。下手なはやりの脳学者よりずっと端的に情緒と脳の作用について伝えているでしょう。

 難問解決の喜びについて、
 「背筋にビリビリっと電気が走るくらいでなきゃ、出来ませんよ」
 「私は三日かからねば、つまり二晩寝なければ解けないという問題を問題と呼ぶことにしている」

 このように、どのページを開いても、ありがたい言葉が溢れ出てくる。
 手軽にスーツのポケットに入れ、通勤電車で読めばいい。

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