「鈴木義幸の「風通しのいい職場作り」」

「壁」は越えるのではなく、壊すもの

創造的対話が生まれるオフィス“2つの鉄則”

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2008年11月10日(月)

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 今回は“容れ物”、つまりハードとしてのオフィス環境が職場の雰囲気にどのような影響を与えるか、考えてみたいと思います。

 私どもの会社はスタッフの増加に伴い、昨年2月に引っ越しをしました。現在のオフィスは千鳥が淵の間近、イタリア文化会館というビルの10階です。眼下には武道館、北の丸公園、皇居。その先には丸の内のビル群を見渡すことができます。

 企業様の風土改革を手がける会社ですから、自分たちの職場のコミュニケーションが少なく、ムードが悪いのでは話になりません。移転に際しては、プロジェクトチームを発足させ、コミュニケーションが多く交わされるオフィス環境づくりを目指しました。

 話し合いを重ねた結果、決まったオフィスコンセプトが「真面目なハワイ、真剣なカリフォルニア」です。

オフィスにオープンな「カフェ」

 ハワイやカリフォルニアに行くと感じられるあの陽気さ、楽しさ、おおらかさと、プロのコーチが集うファームとしての真剣さや真面目さ、さらには重厚感。この両方を共存させようとしたのです(「真面目なハワイ」も「真剣なカリフォルニア」も似たようなものですが、語呂がいいので2つ並べました)。

 執務室は、社員が自分専用のデスクをもたないフリーアドレススタイルとし、大きな丸や長方形のテーブルを並べました。椅子の色は、目に鮮やかなオレンジ、黄緑、それに水色。窓際には20メートル近くある、少し湾曲した長テーブルを据え付け、眼下の緑と向こうの丸の内を見ながら仕事ができるようにしています。

 また、自由に集まって談笑できる「カフェ」を作り、DVDを見たり、音楽を聴いたりできるようにしました。このスペースは閉じられた個室でなく、執務室につながっています。

 執務エリアの奥には25個の小ブースを設けました。企画書を作ったり、大事な電話をしたりというときは静かな場所で、との計らいです。

 さて、実際に引っ越しをして、職場の雰囲気はどうなったかといいますと……。

 お越しいただいたお客様は、受付部分のガラス張りからオフィスをご覧いただけるようになっています。風土改革の支援を生業とする会社の風土はどのようなものなのか、一端でも垣間見ていただきたいとの思いからです。

 お客様の多くが言ってくださるのが、「社員の方はとても楽しそうですね」。職場の活気を感じてくださるようです。

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著者プロフィール

鈴木 義幸(すずき・よしゆき)

鈴木 義幸 株式会社コーチ・エィ 取締役社長
慶應義塾大学文学部卒。(株)マッキャンエリクソン博報堂にメディアプランナーとして勤務後、渡米。ミドルテネシー州立大学大学院臨床心理学専攻修士課程を修了。帰国後、コーチ・トゥエンティワンの設立に参画。延べ200社以上の企業において管理職を対象とするコーチング研修を行う。また200人を超える経営者、管理職のマンツーマンコーチングを実施。企業におけるコーチング・カルチャーの構築を手がける。著書に『職場スイッチ』(ダイヤモンド社)、『リーダーが身につけたい25のこと』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『ほめる技術』(実業出版)、『プレゼンスマネジメント』(日経BP)、『決断の法則「これをやる!」』(講談社)、『セルフトーク・マネジメントのすすめ』(日本実業出版社)など。



このコラムについて

鈴木義幸の「風通しのいい職場作り」

 空気が淀み、風が通らなくなった職場の中に実際に身を置いていると、一体どうすれば、そこに新鮮な風が通るのか、皆目見当もつかないかもしれません。

 けれども、人の心理が集団の中でどのように動き、どのように変化するのかを知識として備えていれば、そして、少しの勇気と行動力があれば、絡まって団子になってしまった糸も少しずつほぐしていくことができると思います。

 当連載では、組織心理学、行動科学の専門家として、様々な企業の現場をコーチングしてきた私自身の経験を活かし、風通しのよい職場の作り方の一端を、みなさんにご紹介できたらと思っています。このコラムを読んでいただくことで、少しでも、みなさんの職場に新鮮な風が通ることを願ってやみません。

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