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「国境」について考える

『超大陸 100億年の地球史』 テッド・ニールド著 松浦俊輔訳 青土社 2600円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2008年11月14日(金)

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『超大陸 100億年の地球史』 テッド・ニールド著

『超大陸 100億年の地球史』 テッド・ニールド著

 「1910年、世界地図を眺めていてるときのことだった。大西洋をはさんだ両側の形が同じであることが目に焼きついた」

 これは、大陸移動説で名高いアルフレート・ウェーゲナーが、驚くべき仮説を思いついたときのことだ。アフリカ大陸の西岸と南アメリカ大陸の東岸が、ジグソーパズルの2片のように、ぴたりと合うことに気付いたのだ。

 ウェーゲナーはアフリカと南アフリカは、大きな1つの大陸から何らかの事情で分かれたものだと考えた。ウェーゲナーは、その後大陸が移動したという証拠を、あたかも地球史の映画フィルムを逆回転させるように調べていった。

 その結果、太古の人間の歴史以前の時代には地球上にパンゲアという大きな大陸が存在していたとする、大胆な書籍『大陸と海洋の起源』を発刊した。1915年のことだった。 ウェーゲナーの考えは、それまでの正統的な地理学者・地球物理学者のほとんどが荒唐無稽だとして反対した。ウェーゲナーの説はサイエンス・フィクションとまで、考えられた。

 ところが、地質学が進歩し、深海底の地形などが明らかになるに連れて、ウェーゲナーの説は徐々に支持者が増え始めた。測量技術の高精度化と海底地図の概要が明らかになるに連れて、ひょっとしたら「岩」が動くのではないかと考える科学者がでてきた。

 さらに地球物理学も進化し、地球内部の様相も明らかになってきた。ウェーゲナーは陸地は西に向かって動いていると考え、精密な地球全体の動きを測定すれば、陸地の移動が証明できるとし、特にヨーロッパとグリーンランドは動きが大きいと考えた。ウェーゲナーはグリーンランドを精密測量のために探険し、酷寒の地で命を失った。

 ウェーゲナーが大陸が移動する原動力と考えたのは、陸地は地球内部の流動性を持つ層の上に乗っていて(浮かんでいて)その層と共に動くのだ、とした。

 現代の地球物理学は、まさにウェーゲナーが予測したとおり、海底にプレートという大規模な地層が露出していて、プレートの上に陸地が乗って、プレート共に移動している、という考えが確立している。太平洋やフィリピンの海底のプレートが日本の近くで沈み込んでいて、まもなく、日本(東京)が大地震に襲われる、という危機感は、もとはといえば、ウェーゲナーの大陸移動説に起因しているわけだ。

 陸地がこのように動いているとすると、盤石と思われる陸地は、現代でも、まだ移動のまっただ中にあると考えられる。ただ、地質学的年代は、単位が長い。数千万年後には、地球の地図は今とはまったく様相を異にしているわけだ。そんなときには今の国境線など、どこかへ吹っ飛んでいっているだろう。

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