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東京は福井になる~家計、会社にも国にも頼らない人生のために【3】

崖っぷち親子会計

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2008年11月27日(木)

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戦後最長の景気拡大は幕を閉じ、再び冬の時代に。
会社も国もあてにできない時代がやってきた。
生き残りに必死の企業は一段とリストラに力を入れる。
公的年金は、いずれ支給額の大幅カットが避けられない。
不透明な世の中に怯えずに済む生き方を家計から考察する。

* * *

2007年6月25日号より

家計受難の時、生活防衛型の親子連結がニッポンの標準になる。
厳しい経済環境下で古くからそれを実践してきた福井県。
そこではどのような生活が繰り広げられているのか。

(馬場 完治、宇賀神 宰司、石川 潤、蛯谷 敏)

 福井市郊外。中心市街地からタクシーで20分も走ると、のどかな田園地帯が広がる。目指す住所の近くに目印もなく、運転手と立ち往生していると「やあ、こっちですよ」と澤崎敏文さんが手招きをしながら現れた。

 澤崎さんは福井生まれ福井育ちの35歳。県内でも離れて暮らす家族が増える中、親子が近所に住める政策を担当する県庁職員だ。そんな澤崎さんは実家の離れに、職場で知り合った妻と5歳の長男と住んでいる。実家には父(62歳)と母(59歳)が住んでいて、事実上は3世代同居の5人家族だ。公務員だった父は2年前に定年を迎え、保育士だった母は澤崎さんに長男が生まれた5年前に退職して今は専業主婦である。

 その日は日曜日。夕方、近所に住む澤崎さんの弟夫婦が2歳の子供とともにやってきた。食事は澤崎さんの母が作るのが常。この日も食卓に揚げ物、炒め物、刺し身などたくさんのおかずを大皿で並べていく。8人がテーブルを取り囲み、銘々好きなお皿に箸を伸ばす。大きなテーブルを囲んで談笑が始まる。さながら里帰りで親戚が集まる盆や正月のようだが澤崎さん宅では日常のことだ。

 典型的な福井の家族の風景――。

 それは高度成長期以降、核家族化が進んだ都市部では失われた家族の風景だった。しかし、これから先、再び日本の標準に返り咲こうとしている。

世帯年収・貯蓄額は日本一

 福井県には興味深い指標がいくつもある。

 福井県の総生産は47都道府県中41位。トップの東京都のわずか3.6%に過ぎず、決して経済的に恵まれた地域とは言えない県だ。2004年に総務省が実施した全国消費実態調査によれば、福井県における世帯主の平均月収は36万2976円、全国平均を約2万円下回り、47都道府県中24位という水準だ。

図・データで見る福井県

 しかし、世帯当たりの実収入となると、月額59万919円に上り2位の神奈川県の54万9046円を大きく引き離し日本一の座に就いている。世帯当たりの平均貯蓄率は19.8%で日本一。これは全国平均9.6%の2倍以上の水準であり、その結果、世帯当たりの貯蓄残高も1630万円と日本一多い。

 1人当たりの収入は決して高くないのに、世帯収入、世帯貯蓄額は日本一という福井。

 2005年の国勢調査によれば、澤崎さんのように3世代で同居している世帯は20.2%。都道府県別で山形県に次ぎ2位である。そして、夫婦共働き率は、58.2%で日本一となっている。

 「大人数で暮らし全員で働く」のが福井流。配偶者の収入とその他の世帯員の収入では、それぞれ他都道府県を圧倒し、世帯収入ではトップに躍り出ているのだ。
 県庁職員の澤崎さんにも両親と別居という考えはなかった。「職場までの所要時間は30分。十分通える距離ですし、家計のことを考えると同居せざるを得ない。特に子供ができてからは、母が面倒を見てくれるので同居してよかったと妻とも話しています」と本音を漏らす。

 共働きが当たり前の福井では、日中の子育ては祖父母が担当する。

コメント3件コメント/レビュー

女性が「結婚と同時に専業主婦になる」というスタイルは、高度成長期になってから都市部に登場したもので、日本でも女性はずっと働いてきたのです。たとえ「労働条件」が過酷であろうとも。医療サービス、育児や介護の問題も、国がなんでも面倒をみていたら、コストは上がる一方でしょう。結局は、そのコストを税金で担うことになるわけですから、自分で自分や家族の面倒を見られるなら、そうした方が国家全体のためには、良いことだと思います。麻生総理の発言にあったように、「国に負担をかけない国民には、なんらかのご褒美」を与えれば、不公平感覚は減らせるのではないかと思いますが。(2008/11/27)

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いただいたコメント

女性が「結婚と同時に専業主婦になる」というスタイルは、高度成長期になってから都市部に登場したもので、日本でも女性はずっと働いてきたのです。たとえ「労働条件」が過酷であろうとも。医療サービス、育児や介護の問題も、国がなんでも面倒をみていたら、コストは上がる一方でしょう。結局は、そのコストを税金で担うことになるわけですから、自分で自分や家族の面倒を見られるなら、そうした方が国家全体のためには、良いことだと思います。麻生総理の発言にあったように、「国に負担をかけない国民には、なんらかのご褒美」を与えれば、不公平感覚は減らせるのではないかと思いますが。(2008/11/27)

福井県育ち東京在住の20代女子です。今度結婚するのですが、他県の方に「仕事はやめるの?」と聞かれ、普通に「なんで?」と返してしまいました。福井では、「働ける人が働く」というのが普通です。むしろ家にお母さんがいると、常に監視されているようで、「子供だけで自由に遊べないなぁ」とうっとうしく思った記憶があります(笑)。でも、その福井スタイルは。「家が無駄に広い」「企業も働くお母さんの<時間枠>を理解し、受け入れている」「配偶者のお金に対しておおらか」であることが必要かと思います。うちの両親も、お互いのサイフにいちいち難癖をつけていた記憶はありません。福井では、男性は、嫁も働くもんだと思ってるし、嫁自身もも働くもんだと思っています。「働く女性に対する理解」なんてのはもう超えて、働くのは普通なんです。子供のことですが、親の残業が多くなくて、晩ごはんをちゃんと一緒に食べる位の距離感があれば、子供も自立心が芽生え、無駄に頼らなくなるでしょう。ちなみに、福井の子供の学力も、全国3位以内です。東京が福井化するには、まず残業なくさないとだめですね。付き合いでダラダラ残ってるなんてばかばかしいと思わないとダメです。(2008/11/27)

祖父母というのは、無料の孫面倒見マシーンではないのですけれどね。それを国家と大企業だけが望むのなら他の国でも起こりそうだけど、自分たちでもそれを望んで親たちに迫るような現象が起こるのが日本らしいですね(起きているとすれば。あるいはこれから起こるとすれば)。家族総出で企業の下請けをやっているようだ。(2008/11/27)

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