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「人馬一体」の秘密

~ 騎手・武 豊 ~

  • 茂木 健一郎

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2008年12月2日(火)

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 スタジオでお話をうかがった騎手の武豊さんは、自然体が服を着ているような人だった。変わらない暖かさがずっと伝わってくる。これまで100人以上のゲストをお迎えしているが、最初から最後まで同じ熱が来ている人は初めてだった。

 武さんの騎乗は、馬に無理やり命令してやらせるのではなく、馬が自らその行動を取るように仕向けることを重視しているという。相手が自分の思い通りに動いてくれないのは、馬と人間の関係だけでなく、人間同士の関係においてもいろいろな職業の人が直面している課題だと思う。

 部下は、いくら「働け!」と言ったところで動かない。良い上司というのは、自分がそれほど声を荒げなくても、部下が自然に働いて力を出してくれる。

 武さんは騎乗しているときに、「ひょっとするとこの馬は僕に勝たせようとしているのか」と感じるときがあるという。そういうことは、ビジネスの現場で、上司と部下の関係でもあるのではないか。「この部下はひょっとしてオレの業績を上げようとしてがんばってくれているのではないか」といった具合だ。

 よく「人馬一体」と言われるが、実際に武さんはそのように感じることがあるという。あたかも自分の足が土を捉えて走っている感覚である。そういうときはお互いに相手のことを思い合って、馬も武さんの指示を感じているし、武さんも馬の反応をつぶさに見ている。こういう関係は、仕事の中でもあるのではないだろうか。

 武さんのお話をうかがうと、良い騎手になるというのは、良い上司、あるいは良い仕事人になるのとかなり近いことだと感じた。

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挑み続ける者に、限界はない
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NHK総合テレビ
12月2日(火)
午後10:00~10:43
再放送
 総合 毎翌週火曜 午前1:00~1:44
     (月曜深夜)
 BS2 毎翌週水曜 午後5:15~5:59
 天皇賞・春4連覇、日本ダービー4勝、そして前人未到の中央競馬3100勝など、数々の記録を打ち立ててきた天才・ジョッキー武豊。馬の個性を見抜き、その力を引き出しきる能力は、歴代の騎手の中でも突出し、20代の若さで頂点に上り詰めた。

 競馬の主役は、馬。しかし馬は、レースの距離やペースなどは全く分かっていない。それをコントロールし勝利へと導くのが騎手の仕事だ。レースの際、武が最も大切にする流儀は、「馬の邪魔をしない」。馬の走る気をそがず、最小限の指示を出し、馬をコントロールをする。それこそが武の真骨頂だ。

 「天才」の名をほしいままにしてきた武には、もうひとつの顔がある。海外のレースに果敢に挑み続ける「挑戦者」の顔だ。これまで海外のビッグレースの厚い壁に跳ね返され、酷評されることもあった。それでも、武は国内レースの合間を縫っては、海外に飛ぶ。「もっといい騎手になりたい」という思いが武を支える。

 この秋、メイショウサムソンとともに、世界最高峰のレースの一つ、フランスの凱旋門賞に挑んだ武豊に密着。さらなる高みを目指して、孤独な闘いを続ける天才騎手の流儀に迫る。


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