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いいじゃないですか、全敗で

2008年12月18日(木)

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 「女々しい」の対極にある言葉に、「男らしい」があります。昨今のはやりに乗って書けば「漢らしい」です。

 何をイメージしますか。丼飯ですか、無精髭ですか。よく食べてワイルド。素敵です。うらやましくも思えます。いいなあ楽で、と。
 しかし楽なだけではないのでしょうとも想像できます。その漢らしさを保つには、それ相応の努力が必要でしょうから。

 丼飯を食べるには、腹が減っていないとなりません。最近食が細くなってさ、とか、昨日の酒が残っててさ、とか言っていられません。
 また丼飯に合わせるおかずと言えば、脂っこいもの味の濃いものと決まっています。さっぱりしたものが食べたいなとか、あっさり済ませたいなとかいう弱気な姿勢では臨めません。

 無精髭。これもまたいいものです。しかしいかがですか。歯磨き粉がついたりしませんか。ミートソースはどうですか。ナプキンで拭いてもなんだかすっきりしないですよね。
 顔、洗っちゃいますか? 社会人たるもの、そんなに頻繁(はんざつ、ではなく、ひんぱん)に顔は洗えないでしょう。

 もういいじゃないですか。
 レディスランチ、頼んでみましょうよ。髭は四枚刃ですっきりと。その方が楽ですもの。

 女の側から言わせていただくと、それはわりとどうでもいいことなのです。
 見た目だけの話ではありません。精神面だって、そうです。

 「俺がやらずに誰がやる」→必ずあなたの代わりはいます。誰かにやってもらいましょう。
 「男は黙って耐えるもんだ」→いやいや、どんどん愚痴りましょう。意外とみんな、同じことを考えていたりするものです。
 「ここで退いたらメンツがつぶれる」→つぶれませんって。とりあえずの試練を回避することも大事です。
 「あいつだけには負けられない」→ではほかの誰になら負けられるのですか。いいじゃないですか、全敗で。

 こういう持論を展開すると、だから日本男児は、この会社は、この国は、ダメになったのだと反論されることが予想されます。

 一理ある、と思います。

 ものすっごく女々しい男性か、雄々しさの呪縛から逃れられない男性か、どちらかしかいないような気がするんです。

 女々しい方に突っ走ってしまっている男性陣は、もうこれは本当に女々しい。肌もつるつるでネイルケアもして、酒を飲まずにケーキを食べる。それはそれでいいのですが、闘争心がない、覇気がない。
 見ていて非常に残念です。

 その一方で、ガンとして男らしい方々がいる。そういう方々は、俺が女々しくなんてあってたまるかという姿勢でいらっしゃる。激務の間を縫ってわずかな時間を割き、日経ビジネスオンラインを、明日の仕事の糧にしようと眉間にしわを寄せてお読みになる。
 私はそういう、古色蒼然とされている由緒正しい男らしい方々に、ほんの少しだけ女フレーバーを身にまとっていただきたいのです。なぜならば、楽になれるから。

 それでも沽券にかかわりますか?
 でも沽券って、何なんです?
 沽券とは、売り渡しの証文のことだそうですが。

 女同士の会話には「彼(または夫)って、私の前ではこんななのよ」という、パートナーの子どもっぽさ自慢がつきものですが、本当に耳を疑って眉に唾したくなるような話に事欠きません。

 「背中を掻いて」と家中、奥さんを追いかけまわすとか、語尾に「ニャー」をつけずに話ができないとか、ちょっと間違えればキモいと断罪されそうなことも、多々あります。

 いやもちろん、職場で部下に背中を掻いてもらいましょうとか、コピー取ってもらえないかニャーと発言せよと言う話ではありません。
 そういう部分も持ち合わせているのだということがわかるだけでも、女は少し安心するのです。
 あ、そんなに違うわけじゃないんだな、と。

 男性の多くは女が分からないと言う。
 それと同じように、女だって男のことは分からないんです。だから、ちょっとでも分かると安心するんです。
 安心させて、くださいな。そのためのレディスランチ、そのための四枚刃です。

 こんなことがありました。

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「いいじゃないですか、全敗で」の著者

片瀬 京子

片瀬 京子(かたせ・きょうこ)

フリーライター

1972年生まれ。東京都出身。98年に大学院を修了後、出版社に入社。雑誌編集部に勤務の後、2009年からフリー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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松﨑 曉 良品計画社長