• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

だって男が好きだから

2008年12月11日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 金曜、23時過ぎ、新宿駅。

 老いも若きも男も女もとあらゆる人たちで混み、初冬にしては熱を帯びたホームに、その人はいました。携帯電話を片手に背中を丸め、すこし前に突き出した首から先で宙を仰いでいる紺のスーツの中年男性。ふと釘付けになりました。

 こんな時間なのに、酔っている風には見えません。きっと仕事だったのでしょう。

 周りの喧騒から、その飄々とした風情はひとりどこか白く浮き上がっているようで、それが目に留まったのです。

 今週も、よく働きましたか。

 つい話しかけたくなりました。
 さすがに声には出しません。気味悪がられますからね。だから頭の中で続けます。きっと毎日頑張ったんですよね、と。

 入線してきた目的地へ向かう電車に乗っても、私はその人のことを考えていました。
 どんな仕事をしているのだろう。今週は順調な週だったのでしょうか。仕事でストレス、あるのでしょうか。

 あるでしょうね、それは。あんまり無理して頑張りすぎませんように。
 帰る家は遠いのでしょうか。中央線のホームにいましたね。中野? 小金井? 立川? 明日あさって、ゆっくり休むことはできるんですか。

 暗い窓に映るくたびれた自分の顔を見て、お疲れ様ですと言いたかったな、と少し思いました。
 それからまた窓を見て思いました。

 通りすがりの男性に対してさえもこれだよ、私ったら、と。

 私は、男の人が好きです。心の底から好きなのです。

 私の言う男が好きは、イケメンが傅いてくれるような店に張り切って通ったり、逆ナン、つまり女の側からのナンパにいそしむという意味ではありません。
 いずれも興味ないわけではないのですが、いまだ機会を得ずにいます。
 ともあれ、私の言う「男が好き」はただ見てるだけで幸せ。話を聞ければそれは至福。そういう控えめな気持ちです。

 お心当たり、ありませんか?

 おそらくお読みの方のほとんどは男性でしょうから、こう想像してみてください。
 例えば職場で、街で、お店で、男性を見るよりは女性を見るほうが、男性同士で言葉を交わすよりは、女性とそうした方が、嬉しい。

 そういうことです。

 もちろん同性同士の方が便利のいいこともあります。しかし、原理原則に立ち返って考えると、やっぱり異性っていい。好き。憧れる。
 そういう意味で、私は、心の底から男の人が好きなのです。

 誰が言い出したのか、“女の時代”が長く続いています。旧聞に属しますが北京五輪も女性選手の活躍が目立ちました。政治家も、これは少数派ゆえもありますが、目立つのは女性が多い気が。

 華やかな世界から身近なところに目を転じても、確かにそうなのかもしれません。流行も消費も女が牽引しているというのを否定するのは難しいでしょう。入社試験、成績順に採用したらみんな女になってしまうという話もよく聞きます。あらゆるものづくりは話題性を得ると言う意味でも、女の視点・意見を無視して進めることはできません。

 調子よく女の時代のメリットも享受したい私としては、それはウエルカムではあるのですが、それのせいで、私が心から好きな男の人が、とばっちりを受けているのだとしたら、悲しい。

 男が生きづらい世の中とも聞きます。この国の自殺者の7割は男性です。看過しがたい事実です。私は、大好きな男の人には、日々溌剌と過ごして欲しい。でも、女にウケるものは男にもウケるというように、副次的に扱われてしまうご時勢。無念です。

 ない知恵絞って考えました。どうしたらこの女の時代、男の人が幸せに過ごせるのだろうかと。
 そこで出た結論。男は、女っぽくなったらいいのでは?

 メンズエステへ通えとか脂取り紙を常備しろとか、眉を整えろとかネイル(爪のことです)を手入れしろとか、そういう話ではありません。
 もちろんそれは、おやりになりたい方はやればいい。男性が美しくなることに、私は賛成です。無精髭も好きですけれど。
 何が言いたかったのかと言いますと、男は多少、女っぽくなったほうがいいのでは、ということ。誤解を恐れず言うならば、“女々しく”なってはどうでしょうという提案です。

 手元の広辞苑第五版にはこうあります。

コメント102

「女々しい男でいこう!」のバックナンバー

一覧

「だって男が好きだから」の著者

片瀬 京子

片瀬 京子(かたせ・きょうこ)

フリーライター

1972年生まれ。東京都出身。98年に大学院を修了後、出版社に入社。雑誌編集部に勤務の後、2009年からフリー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官