――カカオポリフェノールの抗酸化作用が分かったのは、比較的新しいことでした。以来、様々な健康効果面での研究がなされてきましたね。
板倉:チョコレートの抗酸化作用が発表されて間もなく、1995年の第1回開催を皮切りに、毎年、「チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム」で様々な研究成果が発表されています。
茨城キリスト教大学の板倉弘重教授
それまでは、チョコレートの健康効果に関する論文はゼロに等しかったのですが、最近、医学雑誌「サイエンス」とか、科学雑誌「ネイチャー」など一流雑誌にも、チョコレートの健康効果に関する論文が非常に増えてきました。
――どのような効果が発表されているのですか?
板倉:カカオポリフェノールには病原菌を抑える働きがありますが、口中では虫歯菌を抑え、胃ではピロリ菌を抑えます。
チョコレートを食べると虫歯になるといわれたものですが、いまは全く逆ですね。たしかに砂糖の多いチョコレートを食べて歯磨きもせずにいたら虫歯になるでしょうが、ビターチョコレートで、甘みも砂糖ではなくキシリトールやオリゴ糖などでつけたものなら、かえって虫歯を予防できるということを、歯科医の先生が発表されています。
そのほか、チョコレートに含まれているテオブロミンという成分には、神経系を鎮静化させるような働きがあり、カフェインには、お茶やコーヒーのカフェイン同様、いくぶん興奮作用がある。この二つの成分の組み合わせで、抗ストレス作用が発揮されます。戦時中、アメリカ兵がチョコレートを軍用食として持っていたのは、エネルギー源としてだけではなく、メンタルヘルス面での効用という理由もあったんですね。
また、山登りやハイキングのお供に、チョコレートは必須です。エネルギーもあるし、携帯しやすい。疲れると活性酸素が増えてきますが、チョコレートの抗酸化作用は疲れを取ってくれます。ナポレオンがアルプス越えをしたときにチョコレートを持っていったという記録が残っています。
最近、チョコレートに関する論文で多いのは、血圧降下作用。ポリフェノールが血管を広げ、血流をよくしてくれるので、血圧も下がるし、冷え性にも効果があります。
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