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SFとサイエンスノンフィクションのあいだ

『人類の消えた世界』アラン・ワイズマン著 鬼澤忍訳 早川書房 2000円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2008年12月12日(金)

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『人類の消えた世界』アラン・ワイズマン著

『人類の消えた世界』アラン・ワイズマン著

 本書では、人類が地球上から一瞬に消える理由は一切問わない。巨大隕石が落ちたのか、熱核爆弾が数百発炸裂したのか、環境に異様な激変が起きたのか、その理由はどうでも良い。とにかくある日突然、地球上から人類のすべてが姿を消すということを前提にして、本書のストーリー(一種のノンフィクションかな)は進んでいく。

 真っ先に取り上げられるのはニューヨークのマンハッタン島である。人類の文明技術の極致がこの島に集約されているからだ。

 ニューヨークという町は、そこの住むほとんどの人が、絶対の安定を備えていると思っている。人影がマンハッタンから消え去った後、真っ先にやられるのは複雑きわまりない地下鉄だ。

 ニューヨークの地下鉄システムは数百人の保線管理員によって支えられている。彼らの最大の仕事はハドソン川やイーストリバーからの浸水を、強力な新鋭ポンプで防いでいる。そして、保線要員がいなくなった地下鉄は、ほぼ、1日で水没し、マンホールから強力な水圧で水が噴き出す。

 マンハッタンの低地はすぐに水没する。道路を全面的に舗装しているコンクリートやアスファルトの目に見えない裂け目も水は容赦しない。裂け目に浸透し、気温が数回氷結点を往復すると、その都度裂け目は氷圧で広がっていく。そして数年を経ずして摩天楼と舗装道路はガタガタになる。万物常ならむ。

 救いの1つはアフリカの野生動物たちだ。人類が存在した世界では、動物たちは絶滅危惧種として過保護状態に置かれていた。そこから、人類が消えると、熱帯雨林は勢いを取り戻し、柵で保護されていた動物たちが、自由に解き放たれる。動植物の90%は絶滅する。そして、生々流転の末に、繁栄したり絶滅したりする。世界は無常なのだ。

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