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【最終回】私はADD(注意欠陥障害)だった

素晴らしい精神科医との出会い

  • 藤岡 清美

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2008年12月12日(金)

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 本題から逸れますが、ここでシンガポールの医療制度について少し触れたいと思います。シンガポールに来て以来、国家の機能性や効率性を追求する姿勢に幾度となく驚かされてきました。その代表的なものが、世界でも最高水準と言われる医療システムです。

 シンガポールには、政府が管掌する公的病院と自由診療の民間病院が存在します。公的病院は政府によって、誰でも利用できるよう安価な診療費が設定されています。またサービスの質が「安かろう、悪かろう」に陥らぬよう、病院の運営組織は地域別に2分割され、組織間の健全な競争が奨励されています。

 また同じ診療であっても、永住権を持たない滞在者には高めの価格が設定されており、これが大抵の滞在者(駐在員など)よりは所得が低いであろうシンガポール国民に還元される仕組みになっているようです。

カウンセリングのスペシャリストに出会って

 民間病院は、1つの看板の総合病院であっても、病院と契約した医師たちの個人商店街的な仕組みになっています。クリニックは専門性によって細分化され、設備やサービス次第で診療費もピンキリです。私の息子が通う子供専門の歯医者は、待合室がまるでおもちゃの国の雰囲気で、診療台に座れば頭上にはアニメが流れる液晶画面があります。歯の検診1回につき120シンガポールドル(約7200円)は現地としては高いでしょうが、サービスへの対価と割り切ることができます。

 言わずもがな、ここには精神科のクリニックやカウンセリングの場も多彩に存在します。例えば不眠症や夢遊病などの眠りに関するスペシャリスト、催眠療法・ホリスティック医療(自然治癒力を高めることを目的とする代替療法)・ヨガ療法などを取り入れたオルタナティブなスペシャリスト、子供や女性にフォーカスしたクリニック、夫婦向けのカウンセリングやグループセラピーなど、ガイドブックを開けば、美容整形や審美歯科に負けず劣らぬ数のスペシャリストの名前が載っています。

 幸運にも私はシンガポールに来て、2人の素晴らしい精神科医と巡り合うことができました。1人目は私のパニック障害が「全く別の原因から来ている」と診断したO医師、そして2人目は私とその「原因」を共有してくれるH医師でした。

 シンガポールに赴任後、「お守り薬」の確保やストレス対策のために駐在員クリニックの精神科のドアを叩いた私を待っていたのは、O医師からの意外な言葉でした。

 「あなたはね、とてもユニークな脳をお持ちなのよ」

 そう切り出したO医師は、誰もが知っている有名人の名前を挙げ始めました。「アインシュタイン、エジソン、ケネディ…」。存命中の有名俳優や企業家の名前も出てきました。「みんなあなたと同じ脳を持っているの。一生つき合っていかなければならないけれど、とても素敵な脳なのよ」。
 「そのユニークな脳とはいったい何ですか?」

コメント5件コメント/レビュー

貴重な体験記。公開に感謝いたします。本連載と直接関係ないことですが、どうもわからないのが「カウンセリングの副作用」です。薬の副作用なら患者でも手軽に調べられるのですが。患者が副作用やリスクを知ったうえでカウンセリングを受けることが常識になってほしいと願っています。シンガポールや欧米では、「カウンセリングの副作用」について専門家から説明があるのでしょうか?(2008/12/15)

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いただいたコメント

貴重な体験記。公開に感謝いたします。本連載と直接関係ないことですが、どうもわからないのが「カウンセリングの副作用」です。薬の副作用なら患者でも手軽に調べられるのですが。患者が副作用やリスクを知ったうえでカウンセリングを受けることが常識になってほしいと願っています。シンガポールや欧米では、「カウンセリングの副作用」について専門家から説明があるのでしょうか?(2008/12/15)

日本では、精神的な問題は、「病気として治療するか、あきらめて問題に翻弄されるか」という二つの道しか示されないように思いますが、他の国では、「症状をなんらかの方法でなだめて、人生に有利に働くよう工夫する」という道が、ごく当たり前に示されるのですね。平穏で平坦な人生が最良であるとは言えない…と、都合の良い言い訳かもしれませんが、山あり谷ありで、人生の残り半分(?)を楽しみたいと思えるようになりました。ありがとうございます。「アスペルガー症候群かも?」と言われる我が子への対処方法も、おおらかな気持ちで考えたいと思います。(2008/12/15)

子どものころの私も、赤毛のアンでした。アンシリーズは全冊読破し、アンの心理状態・行動すべてに自分が重なり、とても不思議でした(笑)。今回の藤岡さんのコラムでは、ここ数年悩んでいた「自分」についての理解にとても大きなヒントを戴きました。私によく似た中1の息子への対応にも役立てられそうです。「アン」や「トットちゃん」と、ADD/ADHDの関連が指摘されているのは知っていました。自分ももしかして、と感じたことも何度かありましたが、打ち消していました。今回、専門サイト(心理療法等の)ではない場所で、しかも当事者ご本人の文章を通してその事実に触れ、素直に受け入れることができた気がします。藤岡さん、貴重な経験についてのコラム、どうもありがとうございました。(2008/12/13)

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