横浜市の“みなとみらい”地区にある横浜美術館で、「セザンヌ主義展」〜父と呼ばれる画家への礼賛〜が開催されています。(横浜美術館:2009年1月25日まで。北海道立近代美術館:2009年2月7日〜4月12日)
印象派の巨匠、ポール・セザンヌ(1839〜1906年)は、色や形の造形的価値を探求し、ピカソ、ゴギャン、マティス、モディリアーニなど20世紀を代表する画家たちから、「近代絵画の父」と呼ばれていました。
セザンヌ絵画の影響を色濃く受けた巨匠たちは、いわゆる「セザンヌ主義」という、新鮮で革新的な創作形態を幅広く展開していきます。
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例えば、ベルナール、ドニらの《象徴主義とナビ派》、マティス、ヴラマンクらの《フォービズム》、そしてピカソ、ブラックらの《キュビズム》などは、先駆的な20世紀絵画をリードしていくためのエツセンスをセザンヌから強烈に受け継いでいました。
一方、日本でもセザンヌは明治末から大正にかけ雑誌「白樺」などで積極的に紹介され、岸田劉生や木村荘八らは、複製図版からその息吹を受け取り、新たな創作活動を展開しています。また、有島生馬や安井曾太郎など当時パリに留学していた画家たちは、セザンヌの作品を直接目にし、新しい絵画の方向性を見いだそうと試行錯誤を重ねていたのです。
さて本展の目的は、「セザンヌ絵画の本質とは何か?」「セザンヌ主義とは何か」、その2つの主題をあらためて問い直し、検証することにあります。そのために会場の構成を「I・人物画」「II・風景画」「III・静物画」の3つのテーマに分け、セザンヌの名作約40点と、その影響を受けた20世紀の巨匠たちの作品約100点が並置されて展示されています。
それらの作品を比較して鑑賞を進めるうち、その関連や系譜、またそれぞれの作家の魅力を十分に堪能することができる工夫がなされています。
印象派とは一線を画す、堅実で自立的絵画の方向性
それでは、ポール・セザンヌの生涯を辿ってみることにしましょう。
ポール・セザンヌは、1839年フランスの小さな町エクスの裕福な商人の家に生まれました。10代後半から絵画教室に通い、1862年からはパリに移り、本格的に画家としての活動を始めます。
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