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たった一言から人生を変える力

~ まぐろ仲買人・藤田浩毅 ~

  • 茂木 健一郎

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2009年1月20日(火)

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 今回お話をうかがったのは、東京・築地市場でマグロの仲買人をされている藤田浩毅さん。その選択眼が超一流の寿司職人をうならせている。藤田さんは、もともとマグロではない魚介を扱う仲買人としてキャリアをスタートさせた。

 マグロに興味を持ち、“競り”の下見の場所に足を踏み入れたとき、「触るんじゃない!」と、マグロ仲買業者から厳しく叱責されたという。その屈辱の一言を機に「何があってもマグロを扱う」と心に決めたという。そして、購入資金をつくるために猛烈に働き、猛烈に勉強した。

 毎回、ゲストの方にはいろいろな驚きをいただくのだが、今回の最大の驚きは「決めたから」、とことんやるというところだ。「根拠の無い自信」などというのは、まだ柔軟性がある。

 藤田さんは、「マグロをやる」と決めたら、それを実現するまで、何があろうと変わらなかった。逆に、その間にいろいろと考えてしまうと、「できないこと」「やらないこと」の言い訳になる。

 脳科学の立場からすれば、「環境に対して柔軟に適応する」ことが知性であるというふうに考えがちだ。たしかに学問的にはそうなのだが、環境に柔軟に適応するというのは、環境が変わってしまうと、それにつれて目的もどんどん変わってしまいかねない。

 我々はどうしても「柔軟性」と「できないことの言い訳」を混同しがちだ。自分にとって本当に大事な目標ならば、ときどき振り返って再点検すべきだと強く感じた。

 藤田さんがたった一言の屈辱の言葉を投げられとき、その足で岸壁に行って涙した。その間、自分の置かれている状況を客観的に把握したのだと思う。市場の中でポジションがなく、認識もされていないという状況を感じ取った。

 一言を言った側はそれほど深い意味はなかったのかもしれない。それに対して表面的に反発するのではなく、そこから自分の課題を見つけた。そこが素晴らしい。

 藤田さんが今追い求めている理想のマグロの原点は、中学生の時にお父さんが食べさせてくれた味があるという。その経験もそうだが、たった1回の経験から学ぶ能力が非常に高い。そういうことから学べる人は、自分を変えられる。

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まぐろ一徹、意地を張れ
NHKの番組サイトへ
NHK総合テレビ
1月20日(火)
午後10:00~10:45
再放送
 総合 毎翌週火曜 午前1:00~1:44
     (月曜深夜)
 BS2 毎翌週水曜 午後5:15~5:59
 当代一流の名だたるすし職人たちから、絶大な信頼を集めるマグロの目利きがいる。築地市場の仲買人・藤田浩毅(45)。世界中から集まるマグロの良し悪しを見極め、一匹百万円以上の値段で競り落とす。

 藤田は、自ら「うまい」と信じるマグロに徹頭徹尾こだわる。満足できるマグロが市場に出なければ、一週間以上客を待たせても買わない。藤田は、自らが真っ当だと思う姿勢を貫くことですし職人たちからの信頼を勝ち取ってきた。本当に質のよい魚に適正な価格で買い、なじみの客に渡す。それによって質の高いマグロが客にとどき、同時に漁師も潤う。そこに目利きである「仲買人」の存在意義があるからだ。

 冬、脂がのり「旬」を迎えるマグロ。極上のマグロを求め、一切の妥協を許さない仲買人の仕事に密着する。


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