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「20世紀の始まり ピカソとクレーの生きた時代」展

ドイツ“負の歴史”からスタートした美術館の主要収蔵作品が一挙に公開

  • 杉江 隆

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2009年1月29日(木)

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 東京・渋谷のBunkamura(文化村)「ザ・ミュージアム」で、「20世紀の始まり ピカソとクレーの生きた時代」が、3月22日まで開催されています。(4月10日~5月31日:兵庫県立美術館にて同展開催)

 本展は、ドイツ・ノルトライン=ベストファーレン州立美術館の改修工事に伴う休館を機に、同館のコレクションを世界に先駆けて日本に紹介するものです。

 会場には、20世紀を代表するキュビズム、シュールレアリスムの巨匠、ピカソ、クレー、シャガール、ミロなど23作家による64点の名品が掲げられ、私たちを魅了しています。



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パウル・クレー《リズミカルな森のラクダ》1920年 (c)Kunstsammlung Nordrhein-Westfalen,Dusseldorf

 

州知事の政治的決断がつくった美術館

 さて、ノルトライン=ベストファーレン州立美術館とはどのような美術館なのでしょうか。同館は、ライン川下流に位置するドイツ・ノルトライン=ベストファーレン州の州都・デュッセルドルフにあります。

 デュッセルドルフは、ドイツにおける広告、ファッション、IT産業の中心地として名高く、数多くの日本企業も進出する商工業都市として有名です。

 ドイツ有数の商工業都市に立地し、資金、文化の両面からも恵まれた美術館。そんな印象を抱きがちですが、ノルトライン=ベストファーレン州立美術館設立の経緯には、実は、ドイツの持つ“負の歴史”を克服しようとの試みが存在しました。

 第2次大戦前、ナチスは前衛芸術を徹底的に弾圧しました。クレーなど一部の芸術家に「退廃芸術家」という烙印を押し、彼らの作品の多くは国外に流出してしまいました。

 終戦後、ドイツ国民はナチス政権の犯した過ち、その尊い文化を失ったことに気づきます。そこで1960年、当時のノルトライン=ベストファーレン州知事は、「あまりにも高価」との州議会の反対を押し切り、アメリカ人コレクターからクレー作品88点を購入しました。こうして同館は、開館の日を迎えることとなります。

 州知事の決断は、ドイツ“負の歴史”の克服を目指し、同時に失われた文化を取り戻すという政治的決断であったと評価できるでしょう。

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