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滅びたものはまた次につながっていく

~ 考古学者・杉山三郎 ~

  • 茂木 健一郎

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2009年2月10日(火)

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 今回お話をうかがった考古学者の杉山三郎さんは、メキシコの古代都市遺跡である「テオティワカン」の発掘・調査で大きな成果を挙げておられる。杉山さんは最初から考古学の道を志したのではなく、大学生のときに見た展覧会に感銘を受け、現地へ飛んで発掘の作業員として雇ってもらったという異色の経歴を持っている。35歳で学位取得のために米国の大学院に入り研究者として歩み始めた。

 杉山さんはお話もその生き方も非常に大きなスケールを感じさせる人だ。

 約2000年前に作られたテオティワカンは建造物の方位決めなどが極めて精密に行われている。「紐一本で実現できるぎりぎりの精度を持っている」と杉山さんは言う。それだけ高度に発達し、数百年間続いた文明が滅びてしまった理由など、謎は多い。

 杉山さんの仕事は、2000年前のことを対象としながら、それを通して現代の我々を映す鏡になっている。例えば、現代ではインターネットが登場すると我々はあっという間にいろいろな使い方を編み出している。それと同じように古代の人も当時与えられたものの制約の中で最大限のことをやっている。こうした営みがあるからこそ、人類は続いてきたのだと杉山さんは言う。

 たしかにテオティワカンの文明は滅びてしまったけれど、その技術や文化はほかのところで受け継がれ、脈々とつながっている。そういう意味でいうと、エジプトやインダスなど、なぜ古代文明が滅びたかというところばかり強調されているけれど、実はつながっている。それぞれを点として見るだけでなく、線として見ることが重要である。

 いまの経済状況に照らしてみると、1つの会社がつぶれるといったことばかりが強調されるけれど、そこでさまざまな経験を積んだ人がほかの場所へ移動することで、つながり受け継がれていくものがあるはずだ。

 人類が長い歴史を生き残ってきたのは、1つの都市が滅びても他のところへ移動したからだ。個々の人間もそのように生きていかなければならない。そうすれば絶対に生き延びていけるのだ。

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ロマンに生きても、いいじゃないか
NHKの番組サイトへ
NHK総合テレビ
2月10日(火)
午後10:00~10:45
再放送
 総合 毎翌週火曜 午前1:00~1:44
     (月曜深夜)
 BS2 毎翌週水曜 午後5:15~5:59
 メキシコの世界遺産「テオティワカン」は"神々の都"と人々があがめるアメリカ大陸最大の古代都市遺跡。ここで次々と大発見を成し遂げ、世界を驚かせてきた男がいる。考古学者・杉山三郎(56、愛知県立大学教授)。大発見の裏には、現場のデータを徹底的に拾い集め、そのデータに真実を語らせる、という杉山の流儀がある。

 しかし、杉山の目的は単なる宝探しではない。古代の暮らしや社会の解明、ひいては「我々とは何者か」という大きな謎に挑んでいる。そのために、発掘した土器や生け贄体、装飾品など、膨大な史料から古代人の文化や社会構造まで読み取っていく。杉山にとって考古学は「終わりのないジグソーパズル」だ。

 2008年、杉山は人生をかけた大きなプロジェクトを開始する。テオティワカン最大の建造物「太陽のピラミッド」の発掘だ。ピラミッドの中心に向かって掘り進み、まだ見つかっていない「王の墓」を探す。もし見つかれば、テオティワカンは誰が作り、なぜ滅びたのかという古代文明の大きな謎が解けるかもしれない。「謎」という大きなロマンに挑む杉山に密着、その流儀に迫る。


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