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(・∀・)だって「才(よчoぅ」だって~『日本語ヴィジュアル系』
秋月 高太郎著(評:荻野 進介)

角川oneテーマ21、705円(税別)

  • 荻野 進介

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2009年2月10日(火)

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評者の読了時間2時間15分

「スンゴ~い返事が遅くなっちゃったんデスケド・・・(__;)メールアリガトっっ(*“□”*)とってもうれしかったよ!!(≧▼≦)」

日本語ヴィジュアル系──あたらしいにほんごのかきかた

日本語ヴィジュアル系──あたらしいにほんごのかきかた』 秋月 高太郎著、角川oneテーマ21、705円(税別)

 9歳になる娘が彼女の伯母に送った携帯メールを見て仰天した。

 携帯こそ与えていないが、ときおり母親のを借りてメールを打っているのは知っていた。携帯メールを含めインターネット上で用いられる特殊な文字表現も見慣れたはずだった。でも2つの事実は結びついていなかった。娘はどこでこんな技を覚えたのだろうか。

 実質的なワープロ1号機、東芝ルポが発売されて今年でちょうど30年になる。その間、Windows 95の登場でパソコンが瞬く間に普及する一方、携帯がネットにつながり、もはや仕事にも遊びにもメールは必須だ。こうしたデジタル化が日本語そのものに与えた影響は極めて大きいはずである。

 昨年、『パソコンは日本語をどう変えたか』(YOMIURI PC編集部、講談社ブルーバックス)という新書が刊行されたが、内容はデジタル処理技術の変遷が中心で、日本語の変化に言及している部分は残念ながら少ない。手ごろな新書があってもいいのに、と思っていた。

 本書はメールやブログなどのデジタル環境で顕著な、文字の見た目を重視した新しい日本語表記法にスポットをあてるとともに、それを戦後に定められた「現代かなづかい」に対し「ネオかなづかい」と名づけ、さらにオリジナルの表記法まで提案する。

 著者によれば、日本人は文字に対するこだわりが強いため、日本語はもともとヴィジュアル重視なのだという。1970-80年代に女子中高生の間で流行った「まる文字(別名「変体少女文字」)」、あるいは手書きの擬音語・擬態語がてんこ盛りのマンガ文化にもそれが表れている。

 こだわりの強さには、ひらがな・カタカナ・漢字と、3つも文字があることが影響している。どんな場合にどの文字を使うか。われわれは、単語の出自(和語はひらがな、漢語は漢字、外来語はカタカナ)、機能(助詞や単語の活用部分はひらがな)、伝えたいイメージ(漢字は男らしい、ひらがなは女らしい)によって、無意識に使い分けている。指摘されれば、なるほど、である。

「書きことばの時代」がやってきた

 歴史を紐解くと、こうした複雑な表記法が日本文化の発展を遅らせているのだと、漢字を捨て、ひらがなまたはローマ字のみの表記法が検討されたこともあった。文字種の多さが直接ネックになるのが文書作成装置。19世紀末から欧米で広く活用されていた一般向けタイプライターも日本では陽の目を見なかった。

 しかし、ひらがなをいったん入力してから必要な部分だけ漢字に変換する「かな漢字変換システム」が、この問題を解決した。同システムが搭載されたワープロが発売されたのが1979年。著者はこれを「第一次デジタル書きことば革命」と呼ぶ。いわば活字が一般の人々に開放されたのだ。

 その後、2000年頃に携帯メールの普及による「第二次革命」が起こった。ワープロは専ら手書き文字の清書用だったが、メールで送られる文字はプリントアウトされることなく完結する。これを指して〈活字の完全自由化〉と著者は書く。

 これら2つの「革命」を経て、ヴィジュアル面を考慮した各種文字・記号の新たな活用法が“発明”された。

 そのひとつが「(・∀・)」「(´・ω・`)」といった「顔文字」である。1行に収まる数文字の組み合わせに限らず、2ちゃんねるなどでよく見られる、複数行にわたって描かれた大きな「アスキーアート」(テキストアート)もそうだ。

 究極の発明が「ギャル文字」である。例えば「才(よчoぅ」。まるで暗号ではないか。

 “解読”すると、漢字の「才」はカタカナの「オ」の代わりで、丸括弧とひらがなの「よ」で「は」を表現し、キリル文字の「ч」をローマ字の「Y」に見立て、「o」と組み合わせて「よ」と読ませる。つまり「おはよう」だ。

〈さまざまなデジタル文字にかかわる「発明」は、書きことばがインフォーマルなコミュニケーション・ツールとしての使用に堪えうるようにあみだされたものだと考えることができます。まさに「書きことばの時代」がやってきたのです〉

 以上がヴィジュアル系日本語の概論であり、ここから実践篇、すなわち「ネオかなづかい」の具体的用法の解説へと移っていく。最初に取り上げられるのが、私の娘のメールにもあった小さい「っ」を何度も重ねる表記法である。

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