• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

自然に学ぶ、自然を模倣する

『自然に学ぶ粋なテクノロジー ナゼカタツムリの殻は汚れないのか』 石田秀輝著 化学同人 1700円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

バックナンバー

2009年2月13日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

『自然に学ぶ粋なテクノロジー ナゼカタツムリの殻は汚れないのか』 石田秀輝著

『自然に学ぶ粋なテクノロジー ナゼカタツムリの殻は汚れないのか』 石田秀輝著

 自然とは何であるかを考えてみる。ダーウィン的進化の真っ最中である現代という時期を、輪切りにしたものが自然だ、ということが言えるかもしれない。

 自然は奇跡的な英知に満ちている。英知であって、知性ではない。ここを間違えてはいけない。地球も、いや宇宙も含めてすべてがダーウィン的進化をしている。

 その結果を自然の驚きからピックアップしたのが本書である。ムクドリはあれほど大勢で飛行しながら、お互いに衝突することがない。何千万匹ものイワシの群は誰が命令するでもなく、一斉に方向を変えるし、衝突もしない。進行しつつある進化の断面はとても、粋なテクノロジー一杯だ。

 ところで、本書の副題に掲げてあるカタツムリの殻について。高倍率の顕微鏡でカタツムリの殻を覗いてみる。すると、殻には小さな突起が無数にある。もし、汚れ物が殻についても突起の先端までで、殻の地までは突起によって支えられて届かない。油を一滴殻に落としてみる。すると、水をさっとかけるだけで油はきれいに流れ落ちる。

 このカタツムリの殻の性質を台所やトイレ、浴室などの表面セラミック素材に再現できれば、洗剤いらずの台所が出来上がる。家屋の外壁に用いれば、雨の力だけで家はいつもピッカピッカに保てる。もはやカタツムリ台所は実現している。

 こういった自然の驚異を日常生活に応用することを、「ネイチャー・テクノロジー」という。

 私たちは今、地下資源形テクノロジーのどん詰まりにいる。2030年であらかたの化石資源はなくなる、という。いまや、地下資源形テクノロジーの発想を変えて行かなくてはならない。まだ20年はある。だが、この20年は一瞬でもある。

 今求められているのは、資源の消費の一方通行性を切り捨て、排出を循環させて、たとえばビオトープのような循環機能を、テクノロジーの現場に持ち込むことだ。

 自然は地球が誕生してはじめてから、ずっと循環型テクノロジーで動植物を進化させてきた。そのスパンは約40億年にも及ぶ。地球上に現れた生物は、99パーセント以上が絶滅してきた。ホモサピエンスも例外ではない。我々は宿命的な絶滅を待ち受けるしかないのか。

コメント0

「書物漂流」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授