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怖さを知った米デビュー戦――石川遼

「気持ちがピンを向いてくれなかった」

  • 舩越 園子

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2009年2月25日(水)

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 ビギナーズラックという言葉がある。

 実力や経験等々を考え合わせると、本当なら優勝したり好成績を出したりできるわけがないと思われる者が、初心者ゆえに、あるいは初回ゆえに「なぜか、うまくいっちゃった」という現象。プロゴルフの世界でも、ビギナーズラック的に「なぜか、勝っちゃった」ということは、ある。

写真:中島 望

写真:中島 望

 大会コミッショナー推薦やスポンサー推薦という形で石川遼の米ツアー3試合への出場が決定したとき、日本の遼くんブームは一気にボルテージが上がった。

 未曽有の不況に苦しむ米国のゴルフ界も、明るくフレッシュな話題の「最高の提供者」ということで、リョウ・イシカワに対する興味と関心を想像以上に高めた。

 石川の米ツアーデビュー戦となったノーザンテレコムオープンでは開幕前から史上最高の400名近いメディア申請があったほどで、当初はその大半が日本メディアかと思われたが、実際は100名強が日本人、残りの300名弱は米メディアと世界メディア。そういう意味でも「遼くん旋風」は確実に海を渡ったと言える。

 しかし、米メディアたちは石川を話題の中心に据えることはあっても、彼の上位入りや好成績を期待してはおらず、「まあ、予選落ちだろうね」と冷静だった。

 17歳という年齢もさることながら、プロとしてのキャリアはわずか2年目。2年目と言っても、実際は日本ツアーで1年を過ごしたに過ぎず、シーズン開幕が遅い日本での実質的な2年目はまだ始まってもいないわけだから、いまだにプロ1年生のようなものだ。おまけに米ツアー挑戦は初。となれば、「リョウが予選通過を果たしたら、それはビギナーズラックにすぎない」と語っていた彼らの分析は、その通りだと頷けた。

 そして、名門リビエラでティオフした石川は予選落ちだった。米メディアが言う「ビギナーズラック」は起こらなかったわけだが、そんな「幸運」はむしろ起こらなくて良かったんだと私は思う。

写真:中島 望

写真:中島 望

 日没ぎりぎりでホールアウトし、予選2日間を終えた石川は、結果は予選落ちとはいえ、すがすがしさを感じさせる表情をしていた。初日は「1番ティに立った途端、緊張して頭が真っ白になった」と言う石川。その緊張感は「今までに味わったことのない感覚」であり、「こんなに体が固いまま18ホールを回ったことはなかった」と言った。2日目は、その不可思議な緊張の度合いが3割ほど軽減されたと語ったが、やっぱり満足のいくプレーはできずに終わった。

 そんな石川が口にしたこの一言が、やけに印象的だった。

 「気持ちがピンを向いてくれなかった」

 日本では常にアグレッシブなプレーを披露してきた石川。どんなにホールが狭くても、たとえフェアウエイの両サイドが危険でも、果敢にドライバーを握って攻めのゴルフを展開してきた石川。

 そんな石川が「気持ちがピンを向かない」なんて弱気の言葉を吐いたことは、それほどまでに彼が緊張し、何かに対して恐怖心めいたものを抱いていた証拠だ。

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