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「人生をあきらめろ」みたいに言わなきゃいけないときもある~『精神科医は腹の底で何を考えているのか』
春日 武彦著(評:朝山 実)

幻冬舎新書、760円(税別)

2009年2月27日(金)

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評者の読了時間5時間00分

精神科医は腹の底で何を考えているのか

精神科医は腹の底で何を考えているのか』 春日 武彦著、幻冬舎新書、760円(税別)

Dr.14 患者がどんな飲み方しているかも把握せずに脳天気に(薬を)処方をしている医師

Dr.19 自殺予告の電話に、脱力系の姿勢で臨む医師

Dr.28 親しみを込めたつもりで、安易に相手の内面へ踏み込むような質問を発する医師

Dr.38 患者が聞きかじりの知識を口にしたからと、それに対して必要以上に反感を覚えてしまう医師

Dr.51 実はヤブ医者なのに、閑古鳥が鳴いているゆえに丁寧な診察で患者から感謝される医師

 唐突に、失礼。これは、著者が本書のなかで、同業者をサンプリングして通しナンバーを付けた「百人の医師」リストから、一部を抜粋したものだ。

 なかには、「おいおい、そんないいかげんなことでいいのか」というモンダイ医師から、こういう人物なら信頼できそうと思わせる医師まで様々。いいほうにも欠陥ありのほうにも、著者自身あてはまるところがあるという。つまり、100%カンペキな医師は存在しないということだ。

 本書は、診察室での精神科医の振る舞いなどから、その内面にまで言及。ホンネに迫るものだ。

 さて、100人をあげるこの試み。工夫はうかがえるものの、頁をめくるほどにマンネリというか、企画にとらわれすぎて、さしたる意味をなしてないように思える。小細工なしの、直球勝負でもよかったのに。

「フツーにわかること」がわからない

 そこで本書の読み方としては、エンジンのあたたまった中盤の第五章「世間知らずな精神科医」あたりから頁をめくるのがスリリングでいいだろう。

 扱いがたい患者を前にして、日々、精神科医は何を考えているのか。

 秘密組織に自分は監視されている。彼らは特殊な電波を使って、自分から秘密を盗もうとしている。といったトンデモな「妄想」系患者が治療をもとめて、著者のもとを訪れる。

 精神科の治療は、患者からこれらの妄想を取り払えば一件落着かというと、そういうものでもないという。なぜなら、妄想は、いろいろあった果てに、患者がすがりついた窮余の策ともいえる「物語」。そこにしか逃げ込めなかった、本人の置かれた現実はそのままにして、妄想だけを取り除いたら、いったいどうなるか。

 治りはしても、微妙に「みんな」とのズレが際立ってしまう。

 たとえば、「近くへいらしたら、ぜひお立ち寄りください」と記された引っ越し案内をもらったので、やって来ました。と、夕食時に押しかけてきたら、ヘンなやつでしかない。

 著者がいうズレとは、「病気」とまでいかないものの、「フツー」とも言いきれないグレーゾーンをさす。

 フツーの人なら、考えるまでもなく「おかしい」とわかることも、「なぜしてはいけないのか」のが、一度ズレてしまった人には、なかなか呑み込めない。「ふつう、わかるだろうが」が見極められないからこそ、彼らも悩んでしまうのだ。

 では、著者は、そんな患者たちをどう見ているのか。

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