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未練がましさにも、きっと二通りあるんです

2009年3月19日(木)

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「ごめん、やっぱり僕は君とつきあっていくことはできない。どうしても、妻と子供を捨てられないんだ。本当は君と一生をともにしたかった。君とこうやって逢えるのも、今日が最後だね。今までどうもありがとう。幸せになってね。それをずっと、死ぬまで僕は、祈ってるから」

 予感していたこととはいえ、驚きのあまり言葉を失いました。

女々しいイラスト

 ああ、やっぱりそうなんだ。いつかこの日が来るんじゃないかと思っていたのよ、私も。

 ガタン。
 西へ向かう新幹線のシートの上、斜めに大きく揺れた身体を私は立て直します。
 ああ、隣に誰も座っていなくて良かった。
 京都を過ぎて寝てしまうなんて、危険すぎる。次は新大阪。

 それよりなにより、変な夢を見た。

 夢というのは不思議ですね。覚めると映像が霧散してしまう。
 今の男の人、誰だったんだろう。
 発言から察するところでは道ならぬ恋の終わりです。

 ふー。
 ああいうとき、どういう風に返事するのが普通なんでしょう。

 そもそもどうしてこんな夢を見たのでしょう。見る夢にはたいてい脈絡がありませんが、今回のこれはあまりにもどうかしているような気がします。
 もしかすると、今日これから会う人と、そういうことになったりして。いや、ないな。

 妄想に近い自問自答の果てにお目にかかったのは、関西で活躍する某業界人。忙しいお方です。名前は仮にオオサワさんとしておきましょう。
 オオサワさんは二十数年前、当時の結婚適齢期で結婚しました。
 そしてこれまでの間に、奥さんとは別の“彼女”ができました。
 大人には、そういうこともあるようです。

「まあ、もともと女好きやってんな。それまでもさんざん悪さしとって、えらい自信があったんですわ。そんなん、どっちも両立できるいうね。彼女も、僕が結婚してるいうことについては納得してましたわな」

 その時は、どういう結末になると思ってたんですか。

「結末も何も、死ぬまでそのまま行くんちゃうか思うてましたわ。家族は家族で大事にして、彼女ともまあ楽しく行くんちゃうかなあと」

 でも、行かなかったんですよね。

「片瀬さん、あんたキツいこと言わはるなあ。でもまあそうや、自信コナゴナや」

 きっかけは、その彼女の心の変化。
 数年のお付き合いを経て、彼女は口数少なく身を引くことを選んだのでした。奥さんに洗いざらいをぶちまけることもしたくない、金もいらない。ほかに彼氏ができたわけではない。

 ただ、オオサワさんの人生からいなくなりたいと、そう言ったのです。

「こたえたわ。確かにそういう付き合いを強いてきたんは僕や。彼女もそれを認めてくれとった。そこに僕は甘えとったんかな。怒ってくれたらまだよかったんや。でも彼女はそれをせえへんかった。静かーに『せやから鍵を返して』、そう言うた」

 こういう状況に置かれた時の“普通”がどうなのかわかりませんが、でも“普通”は私が新幹線で見た夢のようになるような気がします。

 つまり、モトサヤ。

 男性は淡い思い出を胸に秘めて家庭に戻り、女性はそんなことなかったかのようにして新しい人生を行く。

 違うんでしょうか。

「これを機に家族と普通に暮らして行こう、思いましたわ。彼女はそのチャンスをくれたんやと思おうとした。いつかこうなる運命やったんやと自分に言い聞かせましたわ。考え直せとはよう言わんかった。彼女の人生も大事にせなあかんし、未練がましいこと言うたらあかん、彼女の決断を尊重しょう、それが男や、いうてね」

 しかし、オオサワさんは翻意する。

コメント2件コメント/レビュー

オオサワさんも麻生総理も女々しくない。女性の考える男らしい、女々しいと男のイメージするものは、微妙に異なっていて、平行線をたどる。おそらく女性には、修羅場に立った男性の心境を慮ることができないから、知らず知らず冷酷な言葉を、しらっと吐けるのだと思う。女性には、妻と彼女の板ばさみになった時の男の気持ちも、権力闘争で血みどろになった上で、首相になった麻生さんの気持ちも、「ばっかじゃなかろか」としか思えないだろう。オオサワさんは妻子を捨てるとともに、社会での体面を失うか、その危険があったはず。つまり、妻子だけではなく、仕事や社会的地位よりも、彼女を選んだと言うことである。さらっと話してはいるが、大変な葛藤があったはずである。小生も浮気はしたいが、仕事や社会的体面は失いたくはない。すべてを投げ打って、女性といっしょになりたいとは、小生は思わない。恋愛よりも仕事や会社である。(2009/03/20)

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「未練がましさにも、きっと二通りあるんです」の著者

片瀬 京子

片瀬 京子(かたせ・きょうこ)

フリーライター

1972年生まれ。東京都出身。98年に大学院を修了後、出版社に入社。雑誌編集部に勤務の後、2009年からフリー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

オオサワさんも麻生総理も女々しくない。女性の考える男らしい、女々しいと男のイメージするものは、微妙に異なっていて、平行線をたどる。おそらく女性には、修羅場に立った男性の心境を慮ることができないから、知らず知らず冷酷な言葉を、しらっと吐けるのだと思う。女性には、妻と彼女の板ばさみになった時の男の気持ちも、権力闘争で血みどろになった上で、首相になった麻生さんの気持ちも、「ばっかじゃなかろか」としか思えないだろう。オオサワさんは妻子を捨てるとともに、社会での体面を失うか、その危険があったはず。つまり、妻子だけではなく、仕事や社会的地位よりも、彼女を選んだと言うことである。さらっと話してはいるが、大変な葛藤があったはずである。小生も浮気はしたいが、仕事や社会的体面は失いたくはない。すべてを投げ打って、女性といっしょになりたいとは、小生は思わない。恋愛よりも仕事や会社である。(2009/03/20)

はいと言われると本気になっちゃいますよね。もてないんで、付き合ってくれると思ってしまいます。結局付き合うことはなかったです。今思うとなんではいといってくれたのか、深い意味はなかったのかもしれませんね。(2009/03/19)

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