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麻生・小沢になくてオバマにあるもの

『日本にオバマは生まれるか』の著者
横江公美氏に聞く

  • 真弓 重孝

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2009年3月13日(金)

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 問題発言や閣僚人事などで、失態をさらし続ける麻生太郎首相。公設第一秘書が政治資金規正法違反で、東京地検特捜部に逮捕された民主党の小沢一郎代表。日本の2大政党のトップが、共に窮地に立たされている。

 厳しさ増す経済情勢、そして世界の勢力図が大きく変化しようとする混迷の時代に、信頼し希望を託せる政治のリーダーシップが求められているのは確かだ。米国は、失い欠けた国の威信を取り戻すリーダーとして、これまでの“タブー”を覆し、黒人のバラク・オバマ氏を大統領に選んだ。

 「日本は総裁選も国政選挙も『風』で当選することがあるのに対し、米国や英国では選ばれるに値する人物が当選する基盤がある」。日米の政治システムに詳しく、日経ビジネスオンラインにて「‘O’列車で行こう」を連載中の横江公美氏は言う。

 横江氏は元代議士の父を持ち、松下政経塾で学び、1996年の大統領選の際に米共和党の候補になったボブ・ドール上院議員(当時)の選挙事務所に実地研究で参加するなど日米の政治システムの特徴を肌感覚で分かる貴重な人物だ。横江氏に新書のタイトル通り、日本にオバマは生まれるのかを日米の政治システムの次なる課題を含めて聞いた。

(聞き手は日経ビジネスオンライン 真弓 重孝)


横江 公美(よこえ・くみ)
PACIFIC21 代表
明治大学経営学部卒業。松下政経塾、プリンスト大学、ジョージ・ワシントン大学客員研究員などを経て現在に至る。政策、研修企画、広報戦略などのコンサルティングを行っている。主な著書に『第五の権力 アメリカのシンクタンク』(文春新書)、『 判断力はどうすれば身につくのか』(PHP研究所)、『キャリアウーマン・ルールズ』(K.Kベストセラーズ)など。2009年2月14日に『日本にオバマは生まれるか』(PHP研究所)を出版。
(写真:大槻純一)

 ―― バラク・オバマ大統領にあって麻生太郎首相や小沢一郎民主党代表にないものは何でしょうか。

 横江公美 個人のことより日米の政治システムについていえば、米国ではリーダーになるために、党内や議会でのマネジメントや政策立案の能力などを身につける、様々な準備を求められます。オバマ大統領はこうした能力を身につけるため、着実に準備してきたと言えます。

 彼が大統領になることができた要因として、「『Yes, We Can!』に代表される聴衆を引きつける演説」や「インターネットを使った献金やアピール」といった部分で脚光を浴びています。

 確かに、それらは大統領選に勝った要因であることには、違いありません。しかし、例えばオバマ氏が演説で支持者を魅了できたのは、それだけの資質を持ち合わせるための準備を彼がしてきたからです。

 しゃべり方がうまくても、中身がなければ、聴衆の心を奮わすことはできません。私の印象では、オバマ氏の演説については、世間の関心が技法の方に向かい、内容にはあまり注意を払われていないようで、その点については残念に思います。

 ―― 確かに内容があってこその演説ですが、選挙中、オバマ氏の外交や経済運営での力量が懸念されました。

 横江 オバマ氏はコロンビア大学に編入して政治を学び、またその後ハーバード・ロースクールを修了し弁護士資格を得ました。また政治家になる前には、黒人で初めて「ハーバード・ローレビュー」の編集長を務めたり、NPO(非営利組織)やコンサルティング会社に勤務して社会経験を積みました。学歴や経歴を見れば、リーダーになるための準備をそれなりにしてきたことは確かです。

 ですが、こうした個人的に知識や経験をだけでは、国を司るのに必要なすべての知識や知恵を身につけることはできません。個人の力は限られています。やはり優秀なスタッフを周りに置くことが出来なければ、有能なリーダーにはなり得ません。

 オバマ氏には、デービッド・アクセルロッド氏といった他の候補者も雇いたいと思う優秀な選挙参謀の協力を得ることが出来ました。それは、彼の人心掌握術が優れているからです。

 私の考えでは、政治のリーダーになるには、本人に必要な知識や経験があるだけではなく、人格的に優れて、そして支持者や党内、議会などで人々を目標に向かってまとめていくマネジメント能力が必要です。さらに選挙では資金を集め、それを効率的に配分できる能力も必要です。人心の掌握や資金集めや配分する手腕は、経営者に求められているものと一緒です。

 ヒラリー・クリントン国務長官と民主党で指名争いをしていた時、私はオバマ氏が勝つと思っていました。ヒラリー氏は資金集めではオバマ氏の先を行っていましたが、人心掌握という面では明らかにオバマ氏に比べて劣っていました。

コメント10件コメント/レビュー

「‘O’列車で行こう」の記事もありましたが、米国の政治資金の透明性をできるだけ確保しようとする取り組み、選挙の中で討論による候補者の能力を判別できる仕組み、演説データベースの存在などが、米国の政治のリーダーシップを生みだしていく要因になるということが分かった。そうした仕組みのない日本で育ったリーダーが今でいえば麻生、小沢であって、彼らに足りないものが分かる。(2009/03/15)

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「‘O’列車で行こう」の記事もありましたが、米国の政治資金の透明性をできるだけ確保しようとする取り組み、選挙の中で討論による候補者の能力を判別できる仕組み、演説データベースの存在などが、米国の政治のリーダーシップを生みだしていく要因になるということが分かった。そうした仕組みのない日本で育ったリーダーが今でいえば麻生、小沢であって、彼らに足りないものが分かる。(2009/03/15)

説得力のある正しい論だと思います。われわれはマスコミや有権者に一定の見識を求めることは現実的に無理、という大前提に立って考えるべきで、なにかあると安易にマスコミの無能や有権者の見識のなさを非難するような非現実的かつ非建設的な論には飽き飽きしています。このような前提に立つとき、ディベートによる選抜、ロングインタビューや演説のデータベース化というのは効果的だと思います。結局のところ、一部の権威やマスコミに事実の解釈をゆだねることは無理なのであり、オープンな議論によってしか物事を正しく理解することはできないのだと思います。とくに、誰でも容易に情報にアクセスできるインターネット時代では有効に機能すると思います。このような考え方が日本でも広がっていくことを切に願う者です。(2009/03/14)

>「あの人は人種差別主義者だから話をしない方がいいよ」これは人種差別を持たない振りをしている白人がよく言う言葉である。WASPは100%人種差別をする。していない振りをする白人は、よく正直な裏表のない白人を、人種差別者と言い、自分は違うと主張する。また、日本人もアメリカと言う人種の坩堝に行けば、自分の人種差別意識の深さにいやでも気づかされる。気づかないのは、鈍感なのか、気づかない振りをしたいかである。若い評論家は、二大政党制がいいという洗脳にかかっている。小選挙区になって、政治はますます不安定化し、国民の幸福から遠ざかっている。日本には内閣制と中選挙区制があっている。(単に自民党を下野させるために二大政党制を支持しているのは見え見えである)小選挙区制と二大政党制のデメリットをまじめに評価すべきである。(2009/03/13)

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